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阪神・伊原陵人、中日・金丸夢斗、ヤクルト・荘司宏太 ルーキー左腕3人の「現在地と可能性」を阿波野秀幸が徹底解説! (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 71回2/3を投げて、52奪三振、13四球。コントロール抜群なのは高校(智辯学園)の先輩である村上頌樹投手を彷彿とさせます。そして左投手はやはりスライダーとチェンジアップのコンビネーションが大事なのでしょうか。

阿波野 チェンジアップも時折投げているように見受けられますが、現時点での投球スタイルは、右打者への内角ストレートとカットボールを軸としています。新人ながら、しっかりと攻める投球ができています。そして彼の最大の特長は、なんと言っても優れた制球力だと思います。さらに、ここまで被本塁打0というのもすばらしい。新人としてこれがどこまで続くのか、今後も注目しています。

── 今後、どのような投球をすべきでしょうか。

阿波野 セ・リーグのペナントレースから始まり、交流戦を挟んで、再びペナントレースに戻ってきました。これまでは、相手にとっても初見の投手でしたが、今後は相手も配球の傾向や手の内を把握したうえでの対戦になります。ここからが、本当の意味で真価を問われることになるでしょう。そうしたなかで、たとえば外角へのチェンジアップのような新たなコンビネーションを、どのように使っていけるかですね。

中日のドラフト1位ルーキー・金丸夢斗 photo by Koike Yoshihiro中日のドラフト1位ルーキー・金丸夢斗 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【打者の特徴を見極めていくことが重要】

── 金丸投手はドラフトで4球団が1位指名した逸材です。実際の投球を見ていかがですか。

阿波野 今年の新人のなかで、素材としてはズバ抜けています。最速154キロのストレートが魅力ですね。最近少なくなった、本格派の象徴であるワインドアップモーションも、私としては惹かれます。

── ここまで37回1/3を投げて37奪三振です。カーブは往年の中日エース・今中慎二投手を彷彿とさせます。

阿波野 ストレートがいいとわかっていても、(カーブで)これだけ三振を多く奪えるのは大きな強みですね。あとは緩急です。もう少し緩い"オフスピード"のボールをコントロールできるようになれば、打者はさらにストレートに手が出しづらくなるでしょう。今中投手のカーブは、もっと遅いボールでしたね。

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