なぜセ・リーグは交流戦で総崩れしたのか 高木豊が各チームの課題と、活躍が目にとまった野手・投手を語った (4ページ目)
―― 一方、巨人は打つほうが課題?
高木 そうですね。ただ、大勢とライデル・マルティネスという強力なリリーフがいるので、終盤に1点でもリードしていればいいわけです。課題は、先発ピッチャーが7回まで投げられるかどうか。その前のイニングで降りてしまうと7回までが不安定になるので、先発が7回まで投げるのが理想ですね。
1点でもリードしておくため、大量点は捨てて、バントなどでとにかく得点圏にランナーを進めること。阿部慎之助監督もそれをやり始めましたが、そういう形で勝ちを拾っていくしかないでしょうね。
――中日にもチャンスはある?
高木 まずは、勝率5割に戻してからですね(31勝36敗2分/5位)。昨年よりはメンバーも揃ってきましたし、打てるようになってきましたが、相変わらず細かいことはできていません。例えば、走り抜けていればセーフになった場面でヘッドスライディングをしたりといった課題は随所に見られます。もっとも、他チームがしっかりできているかというと、決してそうではないんですが、目につくのは中日。だから惜しいんです。
ヤクルトは、打てない、守れない、一生懸命に投げるけど勝ち星がつかない......みたいな状況です。チームを立て直すという意味では、思いきって若手を抜擢するべきだと思います。一軍での起用を迷っている選手がファームにたくさんいると思いますが、そういった選手を積極的に使ってみるとか。やっぱり経験に勝るものはないですから。
――夏場の戦いをどう乗りきるかが、ペナントレースの行方を左右しそうですね。
高木 特に、今年は早い時期から暑くなりそうですよね。そうなってくると、ドームを本拠地とするチームのほうが有利かなと。阪神は夏場に甲子園を使えないので、その間はドームで快適にプレーできると思いますし。逆にDeNAや広島はちょっと厳しくなるかな......。
中4日で6月22日のロッテ戦に投げた、DeNAのトレバー・バウアーはフラフラだったじゃないですか(1回0/3を7失点)。いくらバウアーに超人的な体力があるといっても、疲労は避けられない。中6日で投げてもらうほうが得策かもしれません。
ほかの先発ピッチャーにも影響しますし、三浦大輔監督がどう起用していくのかが見ものです。各チームにとって、今年は特に気候が大きく影響するんじゃないかと見ています。
(パ・リーグ編:パ・リーグは下位チームにも希望あり 高木豊が全チームの現状と課題を分析した>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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