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なぜセ・リーグは交流戦で総崩れしたのか 高木豊が各チームの課題と、活躍が目にとまった野手・投手を語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――セ・リーグ各チームでは見られなかった?

高木 西武が瀧中瞭太(楽天)を攻略するために、上位に左バッターを並べた試合(5月28日)があったのですが、これがまんまと成功して勝ったんです。そのデータを、おそらくセ・リーグのチームも知っていたはずです。ただ、(6月18日に対戦した)ヤクルトはスタメンに左バッターを2人しか並べられませんでした。ヤクルトの場合はケガ人も多いですし、並べたくても並べられなかったのかもしれません(同試合で瀧中は7回2失点で勝ち投手に)。

【交流戦で活躍が目についた選手は?】

――交流戦で活躍が目についたセ・リーグの野手はいますか?

高木 大盛穂(みのる/広島)です。今後はレギュラー扱いされるんじゃないか、というくらいの活躍を見せてくれました。足と守備はもともと定評があったのですが、バッティングが課題だったんです。でも、6月8日の西武戦で今季1号のホームランを打って以降、波に乗っていきましたね。パンチ力があるし、打率も残せますし、「なんでこの選手が今までベンチにいたんだろう」と思えるくらいですよ。

 勢いをつけたきっかけのホームランも、守備固めで入って、そのあとに打順が回ってきた時に打ったもの。その1打席で見事なホームランを打って、それがとんでもない飛距離でしたからね。「えっ!? こんなに力があるんだ」って思いましたよ。

 それから首脳陣も「使ってみよう」という気になったんでしょうね。そうしたら結果出した。チームが2安打に抑えられた試合で、その2安打を打ったのが大盛だったという試合もありますしね。

――そのほかに目についた野手は?

高木 伊藤琉偉(りゅうい/ヤクルト)です。打率こそ.221とまだ低いですが、カットボールやツーシームを打つのがうまいです。若手だと真っすぐに強い傾向が出たりするのですが、彼の場合は動くボールに強いんですよ。拾ったり、おっつけたりしてうまくさばきます。

 それと、勝負強さも感じますね。将来的には3番なんかを打たせても面白いかもしれません。パンチ力もありますし、今後が楽しみな選手です。ヤクルトはケガ人が多いのでチャンスですね。

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