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ドラフト注目の「打てる捕手」明治大・小島大河はプロでもマスクを被れるのか 打撃は超一流も問われる守備力

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 小島大河(明治大4年)はプロで捕手を守れるのか──?

 それは、2025年ドラフト会議を左右する関心事と言えるかもしれない。

 例年と比べて捕手に有望株が少ない今年のドラフト戦線だが、小島は「注目度ナンバーワン捕手」と言っていいだろう。名門・明治大で2年春からレギュラーマスクをかぶり、通算59試合で打率.333、6本塁打、45打点と安定した打撃成績を残してきた。

 ただし、守備の評価は難しい。スローイングの動作はお世辞にもスムーズとは言えず、下半身が突っ張った状態で送球するシーンもよく見られる。現段階では「打撃優位型の捕手」という位置づけだろう。

プロ注目の強打の捕手、明治大・小島大河 photo by Kikuchi Takahiroプロ注目の強打の捕手、明治大・小島大河 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る

【現時点での評価は?】

 小島の守備力について、スカウトの本音を聞き出すのは難しい。もし「プロでも十分に捕手ができる」という評価であれば、当然ながら有力なドラフト1位候補になる。とくに補強ポイントにしている球団からすれば、のどから手が出るほど欲しい人材に違いない。

 一方で、仮に守備力を評価しないスカウトがいたとしても、アマチュア選手に対してあからさまに否定的なコメントもできないだろう。

 そんななか、あるスカウトが「ヒント」を与えてくれた。そのスカウトは「過去の攻撃型捕手を並べてごらん」と言って、こう続けた。

「大学生なら佐藤都志也(東洋大→ロッテ)、頓宮裕真(亜細亜大→オリックス)、高校生なら森友哉(大阪桐蔭→西武→オリックス)、社会人なら大城卓三(NTT西日本→巨人)......。頓宮はもうキャッチャーとして出場していないけど、高校時代に『キャッチャーとしては厳しい』という声もあった森は、今もキャッチャーとして出る試合もあるでしょう。プロで経験を積むなかで、技術が向上するケースだって多くある。それに、今はキャッチャーを2〜3人で回すチームが多いですよね。キャッチャーに限らず、打てる選手はそれだけでチャンスを多く与えられるし、希少価値が高くなるんじゃないですか」

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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