検索

ドラフト注目の「打てる捕手」明治大・小島大河はプロでもマスクを被れるのか 打撃は超一流も問われる守備力 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 過去の事例を挙げてみると、小島も捕手としてプロで大成する可能性が見えてくる。現在、巨人で監督を務める阿部慎之助は、プロ1年目の春季キャンプで送球イップスを発症したことを告白している。それでも、2006年には盗塁阻止率.443を記録するなど、ゴールデングラブ賞4回受賞の名捕手になった。

 小島本人は、自身の守備力についてどう見ているのか。直撃してみると、こんな実感を語ってくれた。

「キャッチャーにとって守備は大事ですし、自分はまだまだやらないといけないと感じます。キャッチング、ブロッキング、スローイング......すべての技術を上げていかないといけないですし、重点的に取り組んでいます」

 小島は「まだまだ」というフレーズを繰り返した。自分のなかで、守備に対する確固たる自信はまだないということだろう。

【天才的と称されるバッティング】

 ただし、捕手としての可能性を感じさせる要素もある。それは、捕手歴の浅さである。小島は東海大相模(神奈川)に在学した高校2年の冬、二塁手から捕手にコンバートされた。それまで捕手経験は、小学生時に1年ほど守ったことがある程度だった。

「急に言われたので、ビックリしました。最初はキャッチャーの動きが難しくて、練習を重ねるなかで徐々にそれっぽくなってきたかなと感じます。もともと内野をやっていたので、捕ってからの速さは武器として大事にしていきたいです。高校の頃は『この先もキャッチャーでやっていけるのかな......』と不安もあったんですけど、今はもう覚悟を決めました」

 もし、捕手をやっていなければ、どうなっていたと思うか。そう尋ねると、小島は「本当に難しいですね......」と考え込んだ。

「別の道へ行くほうがよかったのか、悪かったのか、わからないです。ただ、キャッチャーをやっていたからできた経験もありますし、今はプラスに考えています。普段からいろんなピッチャーのボールを見る機会が多いので、いろんな軌道に目が慣れて、バッティングに生きている部分はあると思うので」

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る