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広島・中村奨成、プロ8年目の覚悟 「自分がもう優先される立場にないことはわかっている」 (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun

── 先輩の存在は?

中村 アツさんからの視線はすごく感じているので、勝手に気にかけてもらっているんだなと思っています。アツさんもそうですし、経験ある秋山(翔吾)さんたちと話すことができるのは、自分にとって安心材料になっていることもあると思っています。

── 秋山選手とはどういった話をしているのですか?

中村 センターの守備や打席での心構えなど、いろいろさせてもらっています。プロで長く、ずっと試合に出てこられたなかで、いろんなことを経験されている。これまでは自分のことで精一杯だったんですけど、今年は周りの先輩方ともいろんな話をさせてもらっています。

── 打撃成績のほとんどでキャリアハイを更新していますが、今後さらなる成長が期待されています。

中村 最低でも1年間、一軍に帯同しないと話にならない。そのうえで、すべての面で今までのものを越えていかないことには先がない。もちろん今年よくても、来年ダメだったら意味がないんですが、まずは今年1年で自分の打撃スタイルやポジションを確立したい。「こいつ、これだけできるんだな」という印象を与えたいです。今年は、自分が結果を出し続けないといけないシーズンだと思っています。

── 広島では外野の激しい争いが続いています。チームの優勝争いとともに、チーム内の競争も続いていきます。

中村 もちろん、それは覚悟しています。そこでレギュラーを獲っていかないといけない。まずは限定されたところから結果を出して、可能性を広げていきたいと思います。


中村奨成(なかむら・しょうせい)/1999年6月6日生まれ。広島県出身。広陵高校時代、3年夏の甲子園で1大会6本塁打の新記録を樹立。2017年のドラフトで広島から1位指名を受け入団。「打てる捕手」として大きな期待を受けるも、なかなか結果を残せず、24年に捕手から外野手登録となり、背番号も22から96に変更となった。25年は勝負強い打撃でチームの勝利に貢献している

著者プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

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