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広島・中村奨成、プロ8年目の覚悟 「自分がもう優先される立場にないことはわかっている」 (2ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun

── 打席の記憶を鮮明に残せるのは昔からですか?

中村 これまでは悪い打席が多かったので、思い返したくない打席ばかりでしたね(笑)。でも、その感覚はやっぱり残っていました。打席の記憶があるから思い出すと、その感覚も思い出せてしまう。でも、今年はいい感覚が増えているので、その感覚を自分のなかにすり込ませるようにしています。

── 悪い感覚はなるべく消し去りたい?

中村 頭のなかから削除したいです。何もしなかったら悪い感覚が残ってしまうので、いい感覚で打てた打撃の映像を見て上書きするようにしています。「こういうふうに打っていたな」と、自分に言い聞かせるように。

【プラスに考えられるように】

── 今季、昨季までの自分になったものがあるとすると、それは何ですか?

中村 "継続力"ですね。結果が出ていないと、やっぱり腹が立つじゃないですか。打ちたいし、「なんで打てないんだ」という思いもある。今年は短期間でも打てた時期があったことも大きかったですけど、考え方も変えたんです。結果が出なくても、納得できる打撃内容とか自分のなかでプラスになる方向へ持っていくようにしています。

 昨季までは「打てなかったら二軍だな」とか、どうしてもすべてがマイナス、マイナスに考えてしまっていました。今もそういった感情もゼロではありませんが、そこに向いてしまうと、これまでと同じになってしまうので、グッとこらえてプラスに考えられるようにとしています。そうすることで"継続力"につながっているのかなと思っています。

── 昨季までは強さを見せようとしていたように感じられましたが、今季は弱い自分も受け入れているように映ります。

中村 周りに流されるのは簡単ですが、やるのは自分です。自分がやらないといけない。(今年1月に2年連続で行なった)護摩行も何か変わりたいと思って、アツ(會澤翼)さん、堂林(翔太)さんにお願いして参加させてもらった。我慢して、自分でコントロールできるようになることも大事だなと感じています。

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