パ・リーグで首位打者を狙える打者も 高木豊が語る、各チームをけん引する野手たちの能力 (2ページ目)
――昨年に初めて規定打席に到達した、楽天10年目の村林一輝選手(27歳)も、昨年の経験を糧に打率リーグ2位の.316とハイアベレージを残しています。
高木 やはり昨年の経験が大きいでしょうね。バットが素直に出るタイプですし、それほど崩されるバッティングがなく安定しています。
彼は、ドラフト1位ルーキーの宗山塁の加入で、昨年せっかくモノにしたショートのレギュラーを脅かされることになりました。ただ、そこは三木肇監督が村林を腐らせないようにうまく使っています。宗山に対しての意地もあるだろうし、村林の場合は技術というよりも、その刺激が功を奏していると思います。
楽天の2年目、中島大輔(24歳)も走攻守の三拍子が揃っていて面白いです。スイングに癖がなくてバットがスムーズに出ていく。シャープなバッティングをしますし、効果的な一発も打てます。これから場数を踏ませたら大きく飛躍していくような気がします。ただ、タイプ的には辰己涼介や小郷裕哉に似ていますし、そこに勝っていかなければいけませんね。
【西武のリードオフマン、ロッテの新4番にも期待】
――ここまで37勝31敗と、昨季からの巻き返しに成功している西武。1番・中堅に定着した8年目の西川愛也選手(26歳)の存在が大きいです。打率は.271で、リーグ2位の75安打、盗塁もリーグ2位の14個を記録しています。
高木 先ほどお話した太田や村林と同じく、昨年に多く打席に立ったことが活きていると思います。特に腕のたたみ方がうまくなって、インサイドがある程度さばけるようになったのが自信につながっているんじゃないですかね。もともと守備と走塁は「いいものがあるな」と見ていましたが、バッティングでも自分の形を確立してきましたし、単にトップバッターというわけではなく、リードオフマンになりつつありますよね。
打てるようになる時って、自分のバッティングを客観的に映像化できたり、こういうボールはこういうふうに振れば打てる、といった感性が備わったり、自分のなかに何かが芽生えるんです。今の西川はそういう状態になっているような気がします。
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