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低迷するロッテの現状をOB清水直行が分析 改革が進まないのは、ここ数年で見せた「しぶとさゆえの弊害」も (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――大きな改革が必要になる可能性もある?

清水 日本ハムの新庄剛志監督が今年4年目。チームを根本から変えてきて着実に力をつけていますが、やはり過去の例を見てもチームを変えていくためには3年~5年くらいはかかります。2021年に掲げた「VISION 2025」を自分なりに解釈すると、「近年のドラフトで指名した選手たちを、日本代表クラスに育てていきながら優勝をつかむ」というビジョンだと思うんです。

 今のロッテに、日本代表に選ばれるような選手がどれくらい、いるのか? チームを引っ張っていく選手がいるのか? そう考えると、スッと名前が出てきませんよね。取っ替え引っ替えの選手起用では、選手に「自分は中心選手なんだ」といった自覚が芽生えにくいと思いますし、チームの柱になるような選手はなかなか育っていかないんじゃないのかなと。

【改革が進まなかった理由】

――選手を育てるためには、ある程度我慢して使っていくべき?

清水 あくまで個人的な意見ですが、ある程度は固定したほうがいいと思います。すべてのポジションを固定したほうがいい、1番から9番まで固定したほうがいい、クリーンナップを固定するべきだとか、そういうことではなく、将来中心になっていくような選手、現在結果が出ている選手は辛抱強く使い続けたほうがいいんじゃないかと。

 相手ピッチャーとの相性などもあると思いますが、バッティングもピッチングも"生き物"です。当然データ班が提示するデータも大事だと思いますが、その日の調子を見て臨機応変に対応していくことへの意識が少し薄くなっているような気がするんです。

 例えば、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)が、(5月21日のアリゾナ・)ダイヤモンドバックス戦で110球(投球回7回)を投げましたよね。状態を近くで見ている監督やコーチが、山本の投球のメカニックや表情、息づかいなども踏まえ、100球を超えても投げさせる判断をしたと思いますが、それが采配であり仕事だと思うんです。

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