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点が取れない中日打線について、今中慎二は「1、2人が頑張っても難しい」 改善のカギとなるのは? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【選手に"逃げ道"を作ったほうが力を発揮できる?】

――48イニング連続でタイムリーが出ない時期もあるなど、得点力不足に悩まされています。今中さんは以前、初球を簡単に打ち上げてしまったり、打席での考えが足りないとも指摘されていましたが、いかがですか?

今中 無死満塁や、無死二、三塁の時は打順に関係なく、ベンチからサインを出してあげたほうがいいと思うんです。特に若い選手に対してはそうですね。「初球から振りにいくのが積極的な姿勢だ」と思ってしまっているので。

 先日(5月13日のヤクルト戦)も板山が代打で出てきて、小川泰弘の膝下にきた初球のボール球を思いっきり振っていた。振らなかったらすごく有利になったはずなのに、2球振ってしまったんです。結果としては、小川が板山を警戒したのかフォアボールになりましたが、「初球をど真ん中に投げる投手がいるか?」という話なんです。

 小川はベテランのピッチャーです。若いピッチャーなら真ん中にも投げてくるかもしれませんが、ベテランは初球から簡単に甘いところには投げません。それを考えもなしに振っているうちは難しいでしょうね。

――チームとしてはチャンスは作っても、あと1本が出ない印象です。

今中 ずっと"チャンスに弱い"と言われていますよね。「インコースに真っすぐがきたら引っ張れ」とか、「それ以外のボールは逆方向へ打て」とかサインを出してあげたほうがラクなんじゃないかなと。それで凡打になってもベンチのサインですから、選手に"逃げ道"ができるじゃないですか。

 たとえば、右バッターが「逆方向へ打て」と言われ、打球が一、二塁間を抜けたとしたら選手の成果になりますし、アウトになっても「ベンチのサインだから」と思えます。ある程度はベンチが責任を負うような形にしてあげたほうが、気持ちはラクなはず。そういうほうが、今の若い選手たちは力を発揮できるような気がするんですよ。それで自信がついたら、以降は自分の考えでやれるようになるわけですから。

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