2025年の日本ハム打線は「ビッグバン打線」を超えるか? 鶴岡慎也が語る9年ぶり優勝の可能性 (2ページ目)
── 新庄監督は現役時代、野村克也監督のもとでプレーしていました。
鶴岡 古い記者の方から聞いたのですが、阪神時代の2000年に新庄さんは野村監督から4番に据えられ、打率.278、28本塁打、85打点とキャリアハイの成績をマークしたそうなんです。野村監督は「人間、少し背伸びしてでも役割にふさわしくなろうとするもんや。これを"地位が人をつくる"という」と語っていたそうです。その手法にそっくりですよね。
【打線のカギを握るのは万波中正】
── 今シーズン、清宮選手は規定打席に到達して、昨年ぐらいの成績を残してもらいたいですね。
鶴岡 清宮の成長は、好調時よりも不調時に自分が何をすべきかわかってきたことだと思います。ひと言で言うと"打席の送り方"です。たとえば、四球を選んで塁に出るとか、進塁打を打つとか、ただ打つのではなく状況を見ながらバッティングできるようになりました。
── 万波選手はいかがですか。
鶴岡 最終的に打線のカギを握るのは、やはりマンチュウ(万波の愛称)だと思います。46試合に出場して、9本塁打はリーグトップタイ、25打点はリーグ2位タイです。彼は天才的な感覚があるので、好調時は"反応"で打てるし、調子が悪い時は"読み"で対応できます。
3年連続100三振以上していますが、相手バッテリーとしたら"読み"の部分で勝たないと、マンチュウの場合は本塁打になる可能性がある。相手バッテリーに与えるプレッシャーは並大抵ではないと思いますね。
── 昨年、「ベストDH」に輝いたフランミル・レイエス選手は今季も好調です。
鶴岡 現在、マンチュウとともにチームトップの本塁打、打点をマークしています。野村、清宮、万波、レイエスの中軸4人が規定打席に達していますが、そういったところも打線の安定感をもたらしている大きな要因ではないでしょうか。
── ここまでチーム本塁打数44本は12球団トップです。
鶴岡 新庄監督就任当初、貧打で2年連続最下位だったことがウソのようです。今は結果を残さないと、松本剛のような実績ある選手でもファーム調整があります。新庄監督になって4年目になりますが、これまでの3年間で選手たちを積極的に起用したことで、選手層が劇的に厚くなりました。投資した分、しっかり回収できましたね。
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