制球難、二軍落ち、そして復活...なぜヤクルト高梨裕稔は再びローテーション投手となれたのか (3ページ目)
高梨の凄みについてはこう話す。
「ウエイトを始めたのは2年前に二軍に落ちてきた頃で、それをオフもそうですが、シーズン中の体がきついなかでも続けている。体や気持ちの強さはもちろんですけど、自分がうまくなるためにアンテナを張り、新しいことにチャレンジできる。そこが高梨さんのすごいところです」
そして宮沢ブルペン捕手は「コーチや監督からの注文ってあるじゃないですか」と言って、こう続けた。
「たとえば、『こうこうしたら、もっと一軍で投げられるよ』とか。そういう助言をファームでも頑張って続け、たとえ一軍に上がれなくても、そこに対してやりきれる力がある。そこも高梨さんのすごいところです。実際、それを続けるって簡単なことではないですから」
【勝利数よりもローテーションを守ること】
高梨はここまでの自身のピッチングについて、「まだ登板数は少ないですけど、本当にいい形で粘れています」と語った。
「今年は試合のなかで修正できているので、最後まで粘りきれていると思います。なんとかそれを継続していきたいですね。そこはこれまでずっと課題だったので、シーズンを通して乗り越えていきたいです」
前出の小野寺コーチも「自分で修正できるようになりましたよね」と評価する。
「まだ力んでボールがばらつくこともありますが、調子が少し悪い時でも、それなりの投球ができるようになっています。140キロのボールを投げるようなフォームで145キロの球を投げて、打者のタイミングをずらす取り組みもしてきましたが、それが今、形になってきているのかなと。
変化球では、カーブをしっかりストライクゾーンに投げ込めていますし、さまざまな球種を操れるようになって、どのカウントでも勝負できる感じになってきました。この2年間、悔しい思いもあったと思いますが、下を向かず、一軍で投げるために自分がどうすべきかを考えて、行動に移せるようになった。本当にすばらしい成長だと思います」
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