西武変貌の要因と優勝の可能性を伊原春樹が語る 「快進撃の理由」を徹底解説 (2ページ目)
── 西川選手についてはいかがですか。
伊原 過去に62打席連続無安打という不名誉な記録をつくったこともありましたが、昨シーズン104試合に出場した経験が生きているのでしょう。今年はすでに猛打賞(1試合3安打以上)を5回記録するなど、リードオフマンとして打線を引っ張っています。盗塁も小深田大翔選手(楽天)の12個に次ぐ11個をマーク。「機動力の西武」の象徴となっています。
── 守備では、昨年までセカンドだった外崎修汰選手がサードにコンバートされ、二塁手を誰にするのか不安がありましたが......。
伊原 このまま滝澤夏央選手でいいでしょう。源田壮亮選手がケガで離脱中はショートを守り、サードに就くこともありますが、セカンドで固定してもいいと思います。球界最小兵の164センチながらパンチ力もあり、5月17日のオリックス戦ではサヨナラ安打を含む4安打と大活躍しました。2番打者としていい働きを見せてくれています。
【投手力は12球団随一】
── 投手陣はいかがですか? 髙橋光成投手がようやく"連敗地獄"を脱出しました。
伊原 3年連続2ケタ勝利のエースが、昨年はまさかの0勝11敗......そして今年も開幕から2連敗で、トータル13連敗でしたからね。昨年の結果については、肉体改造的なこともあったのですが、体を大きくしすぎだと思いますよ。今年は体を絞って、球のキレが出てきました。
── 先発投手陣は駒が揃っています。
伊原 ピッチングスタッフは12球団随一ですよ。先発は髙橋のほかに、今井達也、渡邉勇太朗の右がいて、左も隅田知一郎に、昨年新人王の武内夏暉がケガから復帰し、菅井信也もここまで4勝を挙げる活躍。さらに、2022年に10勝をマークした與座海人も控えていますからね。すごい布陣です。
── 先発陣だけでなく、リリーフ陣も質量ともに豊富です。
伊原 左の佐藤俊輔、右の甲斐野央、山田陽翔、新外国人のトレイ・ウィンゲンターが抑えの平良海馬につなぐ「勝利の方程式」ですね。増田達至、アルバート・アブレイユら実績あるリリーバーが退団したので、そこがひとつの懸念事項でしたが、いい方向に回っています。
2 / 3