NPB未経験の二宮衣沙貴と根岸涼 27歳になる彼らはなぜ台湾プロ野球でプレーする道を選んだのか (3ページ目)
2023ー24シーズンのコロンビア・ウインターリーグでMVPに輝いた根岸涼 photo by Irokawa Tomaこの記事に関連する写真を見る いずれも二軍スタートだ。CPBLの一軍は、同時出場できる外国人は3人までで、これからアピールして一軍昇格を目指していくことになる。色川氏によると、待遇は「NPBの育成契約くらい」だという。
実は、ふたりともメキシカンリーグからもオファーが届いていた。それでもCPBLを選んだ裏には、ある理由があった。
2026年シーズンから韓国プロ野球(KBO)で導入される「アジアクォーター制」を見据えてのことだ。3人の外国人選手に加え、アジアやオーストラリアの選手を1人登録できる制度である。
色川氏が説明する。
「KBOの10球団にそれぞれ1枠あるので、10選手にチャンスが生まれます。そこを日本人、台湾人、オーストラリア人で争うことになるはずです。現状のルールでは、2025年にアジアとオーストラリア以外でプレーした選手はアジアクォーター制に入れません。その点も考慮し、根岸と二宮はメキシコではなく台湾でのプレーにこだわりました」
台湾は昨年のプレミア12で初優勝したように、トップ層は日本とも互角に戦えるレベルにある。そこで結果を残せば、KBOのアジアクォーター制でも候補に入ってくるはずだ。
【NPB入りへラストチャンス】
そこを見据えるふたりには、先に続く目標もある。二宮にとってはNPBだ。
「ピッチャーは、27歳か28歳がドラフトの最後のチャンスだと思います。オリックスの阿部(翔太)さんが、28歳で指名された前例もあるので。台湾からNPBに行った人もいますし、日本に近いので情報も伝わりやすいなと」
一方、根岸は少々スタンスが異なる。
「NPBにこだわっているわけではなく、評価してくれる球団があるならそこでやりたいなと思います。もちろん、NPBが評価してくれるのであれば、そっちでプレーしたいと思います。なんとも言えないですね、そこは......」
NPBは世界でもトップレベルのリーグだが、選手はチームからオファーを受けて初めてプレーできる。今年27歳になるという年齢が、NPB入りのネックになるが、プロ野球選手の全盛期は20代後半とも言われている。
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