NPB復帰を目指す倉本寿彦、34歳の今 「挑戦できる環境があること自体、すごく幸せなこと」 (3ページ目)
プロ入りを目指しながらもなかなか夢が叶わず、迎えた25歳。ラストチャンスと決めたその年に活躍を見て、地元の横浜DeNAベイスターズに入団。憧れの背番号「5」を着けて、ショートのレギュラーを勝ちとった。
34歳となった今シーズン、倉本は選手として"完熟の時"を迎えようとしている。
「僕自身、選手として今が全盛期だと思ってプレーしています。そう感じられること自体が、いい状態ってことなんでしょうね。オフの間も『早く試合がしたいな』って、うずうずしていましたし、開幕がほんとに楽しみでした。やっぱり、野球が好きなんですよね。できることなら一生やっていたい。
もちろん、いつかは"究極の選択"をしなきゃいけない時が来るけど、その時にはあえてきついほうを選びたいと思っています。挑戦できる環境があること自体、すごく幸せなこと。1打席1打席を大切にして、目の前のことに全力を注ぎたい」
3月14日の開幕戦、倉本は今季初ヒットとなる同点タイムリーをセンター前に放ち、ハヤテに開幕戦勝利をもたらした。ヒーローインタビューに呼ばれた"3ミリ"成長したその姿は、やや気恥ずかしそうだったが、それもまたじつに倉本らしい。
土壇場での粘り強さと、あきらめの悪さ──倉本の真骨頂が、いま静岡の地で輝きを放っている。
倉本寿彦(くらもと・としひこ)/1991年1月7日、神奈川県出身。横浜高から創価大、日本新薬を経て、2014年のドラフトでDeNAから3位指名を受け入団。1年目から開幕スタメンを果たし、3年目には全試合フルイニング出場を果たすなど、不動のレギュラーとして活躍。しかしその後は出場機会を減らし、22年のシーズン終了後に戦力外を受ける。23年は古巣である社会人野球の日本新薬でプレーし、昨年NPBファームの新球団・くふうハヤテベンチャーズ静岡に入団した。
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著者プロフィール
村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)
1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。
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