【プロ野球】緒方孝市が今季の広島を分析 ルーキーや新外国人たちへの期待、課題の得点力不足について語る (3ページ目)
――ドラフト2位ルーキーの佐藤柳之介投手は、即戦力になれそうな投球を披露していました。
緒方 150キロ超えの強い真っすぐをどんどん投げる、というタイプではないですが、打者目線ではタイミングが取りづらいピッチャーです。独特の投球フォームでリリースポイントが見づらく、真っすぐを待っていても差し込まれてしまう。また、両コーナーに投げ分けるスライダーや、右バッターの外に落ちていくチェンジアップ気味のフォークなどの精度が高いですし、バットの芯でとらえにくいタイプですね。
――ドラフト3位ルーキーの岡本駿投手(甲南大)はいかがですか?
緒方 先発陣と同じく中継ぎ陣も層が厚いのですが、そこに食い込んでいきそうですよね。真っすぐの強さやコントロールがよく、何よりも右バッターのインサイドに食い込んでくるツーシームがいい。縦の変化が大きくて空振りが取れますし、右バッターが一番嫌がるような軌道です。
ドラフト4位ルーキーの渡邉悠斗(富士大)も、オープン戦途中までは結果を残していました。内野の守備で少し不安定さが見受けられましたが、打つほうに関しては一軍で競争しているメンバーに引けを取っていなかった。佐々木同様、シーズン中に必ずチャンスがくると思います。
――先発もリリーフも充実している一方、チームの一番の課題はやはり得点力不足だと思いますが、今季の打線はいかがでしょうか?
緒方 攻守において要である坂倉将吾が開幕にいないのはマイナスです。ただ、昨季は2人の外国人選手がシーズン早々に離脱した打線で9月頭まで首位にいたことを考えれば、今季の打線はプラスアルファしかないです。やはりモンテロとファビアンが計算できる、期待を持たせてくれていることがすごく大きいですし、若手がチームを底上げしてくれています。昨季は得点力不足に泣かされましたが、今季は得点力不足が改善するはずです。
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【プロフィール】
緒方孝市(おがた・こういち)
1968年生まれ、佐賀県鳥栖市出身。1986年に広島東洋カープからドラフト3位で指名され入団。2008年まで主に外野手として活躍し、盗塁王のタイトルを3度、ゴールデングラブ賞を5年連続で受賞した。2009年に現役を引退後、コーチとして後進の指導。2015年に監督に就任すると、2016年から18年にかけてチームを球団史上初の三連覇に導いた。2019年に退任後、野球評論家などで活躍中。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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