【プロ野球】緒方孝市が今季の広島を分析 ルーキーや新外国人たちへの期待、課題の得点力不足について語る
緒方孝市インタビュー
今季の広島について
昨季は9月に歴史的な大失速があり、首位から4位に転落した広島。雪辱を期す今季のチーム状態について、走・攻・守三拍子揃った名選手として長らく広島で活躍し、監督として球団初のリーグ3連覇を成し遂げた緒方孝市氏はどう見ているのか。新外国人選手や期待の若手選手、ルーキーなどの評価を中心に分析してもらった。
緒方氏が大きな期待を寄せる5年目の二俣翔一 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【野手陣は好調の二俣や、2人の外国人選手に期待】
――キャンプやオープン戦から、チーム状態をどう見ていますか?
緒方孝市(以下:緒方) 一番感じるのは、近年にないくらい投打ともに若手の選手が出てくるシーズンになるんじゃないか、ということです。それと、昨季は開幕2戦目に外国人選手が離脱し、以降は外国人選手不在になってしまうなど、ここ2年は外国人選手に泣かされましたが、今季に加入したサンドロ・ファビアンとエレウリス・モンテロは期待できます。
――それぞれの特長をどう見ていますか?
緒方 モンテロは長打を打てますし、思っていた以上に広角に打てる器用さも持ち併せています。一方のファビアンは、オープン戦序盤は対応に苦労していましたが、試合を重ねるごとに日本の野球に慣れてきました。モンテロ同様に長打力があるので、2人とも戦力になると思います。
――期待の若手選手が多いとのことですが、特に注目している選手はいますか?
緒方 最も目を引くのは二俣翔一(高卒5年目)です。非常に守備能力の高い選手で、内野も外野も守れます。今季は大きく打撃フォームを改造したのですが、試合に出ながらタイミングのとり方もよくなり、自分のバッティングスタイルを確立してきた感があります。
田村俊介(高卒4年目)にも期待しています。キャンプから見ていますが、バッティングでタイミングのとり方を少し変え、長打力を含めて確実に成長してきているなと。長打力という点では、林晃汰や末包昇大らもオープン戦で内容のあるバッティングを見せてくれていましたし、モンテロやファビアンも含めて各ポジションの争いが活性化しています。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。