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【プロ野球】緒方孝市が今季の広島を分析 ルーキーや新外国人たちへの期待、課題の得点力不足について語る (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――内・外野を高いレベルで守れる二俣選手の存在は大きい?

緒方 ライトに限らず、サードやショート、菊池涼介を休ませるためにセカンドを守らせることもできますし、貴重な戦力です。いろいろなポジションで起用してみたいと思わせる選手ですね。

――ドラフト1位ルーキーの佐々木泰選手(青学大)は左足太もも裏の肉離れで離脱中ですが、どう見ていましたか?

緒方 構えが大きくてゆったりとしていて、非常にフォロースルーが大きい。そういうスイングを見ると、中・長距離のバッターだなという印象です。ポジション争いに入っていける実力の片鱗を見せてくれていただけに、離脱は残念でしたね。それと、彼のバッティングを生かすためなのか、オープン戦ではテストの意味で外野を守らせたりもしていましたが、ポジションは基本的にサードでしょうね。

【ドラ1の常廣らも含め、投手陣は層が厚い】

――ピッチャー陣はどう見ていますか?

緒方 主力の大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁以外の3枠を、森翔平、玉村昇悟、ジョハン・ドミンゲス、常廣羽也斗(つねひろ・はやと)、ドラフト2位ルーキーの佐藤柳之介(富士大)が争う形となり、先発ローテーション争いは非常に激しいです。常廣はオープン戦の西武戦(3月18日)でストライクを取るのに苦労していましたが、長いシーズンを考えれば今後もチャンスはあるはずです。

――常廣投手のピッチングをどう見ていますか?

緒方 まずウイニングショットのフォークは狙って空振りを取れますし、バッターはそう簡単には打てないでしょう。要は、追い込んだら三振を取れるピッチャーということです。カットボールやスライダーも精度が高くなっていますし、何よりも真っすぐが力強い。キャンプの最初のシート打撃での登板では、寒いなかで150キロ台を連発してバッターを圧倒していましたし、ちょうど視察に来ていた侍ジャパンの井端弘和監督を唸らせるほどでした。

 森翔平も今年は非常にいいです。社会人出身で入団4年目なので、首脳陣からすれば求めるレベルも高いところにあったと思いますが、オープン戦でもほとんど点を取られませんでしたし、ランナーを出した場面でも非常に落ち着いています。

 今までは力で押すピッチングが目立っていたのですが、もともと球種が豊富なピッチャー。カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークといった変化球の精度が上がっていますし、コントロールがいい。そういうものがオープン戦の好調さにつながったと思います。

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