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松永浩美が語る「記録より記憶に残る外国人選手」アニマル・レスリー 雄叫びのイメージも「一番優しかった」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――松永さんはサードを守っていて、マウンドにいるピッチャーに声をかけに行くことが多かったですが、アニマルさんにはどんな言葉をかけていましたか?

松永 「ここを抑えたら美味しいもんを食べさせるよ」とか「日本食でいいとこあるよ。次に東京へ行った時に行こうか」とか(笑)。ピンチの場面というよりも、ぺぺが下を向く回数が多くなってきた時に声をかけに行きました。キャッチャーからの返球を捕ったあと、キャッチャーを見ていればいいのですが、自信なさげに下を向く回数が多いときは、だいたい調子がよくない時なんです。あと、「ケンカを売られるんじゃないか」って思ったときもありましたよ。

【「投げるたびにヒヤヒヤしていた」】

――どういう場面でそう思ったのですか?

松永 ペペが投げている時に、1回だけエラーしたことがあるんです。そうしたらぺぺがマウンドから降りて、私がいるサードに向かって歩み寄ってきたんですよ。ケンカを売られるのか、何か文句を言われるのかと思ったのですが、「ダイジョウブ!ダイジョウブ!」って日本語で言ってきて(笑)。

 身長が2m近く(198cm)ありますし、マウンドにいるときは常にテンションが高いので、こちらに向かってきた時は圧倒されましたね。私に文句を言ってくる選手はほとんどいなかったですし、そういう意味でも驚きましたよ。

――同じように、相手バッターも圧倒していた?

松永 私がバッターボックスに立ってぺぺの球を見たことがないのでなんとも言えませんが、たぶん大したことないと思うんです(笑)。パフォーマンスが大げさだったり、大きな声で吠えてみたり、それで体も大きいですし......そういう要素で圧倒されることはあったかもしれません。真っすぐは、そこそこ速かったですね。

――サードからアニマルさんのピッチングを見ていてどうでしたか?

松永 投げるたびにヒヤヒヤしていましたよ。基本的にランナーを出してしまいますし、3人で終わらせることがあまりなかったので。打たれてしまった時に、「気にするな!次で取り返そう」とマウンドに声をかけに行くこともありました。

 打たれてもすぐに切り替えられればいいのですが、ちょっと気持ちを切り替えるのが遅いんです。試合後も引きずってしまうタイプなので、野球に関わりがない場所で発散させていましたね。天ぷらが大好きだったので、天ぷらをふたりで食べに行ったりしましたね。

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