松永浩美が語る「記録より記憶に残る外国人選手」アニマル・レスリー 雄叫びのイメージも「一番優しかった」 (3ページ目)
――ピンチの場面や、特定のバッターに対してギアを上げることはありましたか?
松永 相手のバッターがどんな特徴があるのか、どれぐらいの成績を残しているのか、今はよくて当たっている、といった情報や先入観を持たずに投げ込んでいくタイプです。そういうことをインプットしてしまうと、いっぱいいっぱいになっちゃうんじゃないですかね。そうじゃなくてもフォアボールが多いのに(笑)。
【外国人選手のなかで「一番優しかった」】
――1年目は42試合に登板して、5勝3敗19セーブ。しかし2年目は18試合の登板にとどまり、2勝2敗5セーブと不振でした。
松永 先ほどお話したように、それほどすごい球を投げるわけではないので、やはり見切られてしまうんでしょうね。スライダーやカーブ、フォークといろいろ変化球を投げていたのですが、これといった決め球がないので見切られてしまうんでしょう。相手からすれば、「パフォーマンスは派手だけど、それほどすごい球は投げてないぞ」という感じだったんじゃないですか。
あと、ぺぺが乱調だった試合での出来事なのですが、通訳のチコ(ロベルト・バルボンの愛称。選手時代は阪急で3度の盗塁王に輝くなど活躍した)がマウンドに来るじゃないですか。みんなで集まるんですけど、チコはペペにパパっと話をしただけですぐに終わったんです。そのあとにベンチに戻ったら、上田監督が「ちゃんと伝えたのか?」と聞いていて、チコは「伝えましたよ」と答えていました。
こうじゃないか、ああじゃないかと上田監督が話していた時間はけっこう長かったはずなのに、チコがペペと話した時間が一瞬だったので「おかしいな」と思ったんでしょうね。私はチコに「上田監督が伝えようとしたことと、チコがぺぺに伝えている内容って違うんじゃない?」って聞いたことがあるんですよ。そうしたら、上田監督はペペに対して厳しいことも言っていたようで、チコも「あれは、全部は伝えられないよ」と困っていました(笑)。
3 / 4