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日本シリーズの経験を糧にDeNA松尾汐恩、勝負の3年目 「レギュラー争いに入っていけるように」 (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi

 それでも2年目は爪痕を残すことができましたね、と伝えると、松尾は少しだけ顔をゆがめかぶりを振った。

「やっぱでも、まだまだですよ。全然満足していませんから。次はあの日本シリーズのフィールドに自分が立っていないといけない」

 どこまでも揺るぎない向上心。ルーキーイヤーから話を聞いているが、その口調や所作は、もう立派なプロ野球選手である。

「やっとスタートラインに立てたと思うので、今年が勝負。レギュラー争いに入っていけるようにしたいと思います」

 松尾は昨年の7月で20歳になっており、それもあってポストシーズンでは歓喜のビールかけに参加することができたのだが、あの至福の時間はどのように感じたのだろうか。

「本当、楽しかったし、最高でした。早めに生まれてきてよかったですよ。お母さん、ありがとうって感じですね」

 そう言うと、松尾は笑った。

「あれをまた経験できるように頑張ります」

 DeNAが悲願の27年ぶりのリーグ優勝を目指すには、チーム一丸となることが求められ、必然的に総力戦になる。松尾は厳しい競争のなか、自分の役割をどこまで果たすことができるか刮目したい。

著者プロフィール

  • 石塚 隆

    石塚 隆 (いしづか・たかし)

    1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住

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