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【プレミア12】チャイニーズ・タイペイに見る勝利への執念 井端ジャパンは課題を胸に決勝へ (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 北山は7、8回を無失点に抑え、結局日本が9対6で勝利したものの、翌日の決勝を考えると決して理想的な展開ではなかった。

 今大会、ここまで8連勝を飾ってきた侍ジャパンの最大の武器は投手力だ。11月16日、完全アウェーで行なわれたオープニングラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦でも1失点と危なげなく抑えている。

【井端ジャパン6失点の理由】

 それが一転、スーパーラウンド最終戦ではなぜ、6失点も喫したのだろうか。その理由は大きく3つある。

 1つ目は、先発マスクをかぶった古賀の意図どおりにいかなかったことだ。

「コーチの方から『今日の試合を頑張ってもらえば大丈夫』と言われたんですけど、僕のなかでは相手に対して配球でインパクトを残そうと思いました。普通なら、ここは変化球で空振りを取りにいくというところで、あえて真っすぐでいったりとか。(決勝では)キャッチャーもピッチャーも変わるけど、キーになるバッターに対して(体を)開かせようとかも考えていました」

 5回には2番リン・リー、3番ツォン・ソンエン、4番ジリジラオ・ゴングァンと3人の右打者に対し、早川はインコースを攻めるも思うように決まらず、この回に2点を失い無死満塁で降板した。古賀が振り返る。

「制球がちょっと定まらなかったですね。早川さんもやっぱり緊張もあっただろうし。僕も普段組んでいないなか、早川さんのいいところを全面に引き出してあげられなかったです」

 早川は3回、相手打者が構えていない状況でピッチクロックバイオレーションを取られたこともあり、思うように制球できなかった。これが6失点につながる2つ目の理由だ。

 そして3つ目は、チャイニーズタイペイの勝利への執念だ。再び古賀が語る。

「テレビでWBCを見ていた時の韓国みたいに、『絶対日本に勝つ』というのにプラス、『優勝しよう』という気持ちが伝わってきました」

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