【ドラフト2024】今年もBCリーグ選手は大量指名されるのか 最注目の有力候補5人 (4ページ目)

  • 井上尚子●取材・文 text & photo by Inoue Hisako

【最速155キロのパワーピッチャー】

■石川颯(いしかわ・はやて/投手/千葉商科大学→BC福島レッドホープス/24歳/182cm・81kg/右投・左打)

 今年、BC選抜×NPB戦で150キロを超す速球を投げたパワーピッチャーは少なかったが、そのなかで目立ったのが石川だ。BCリーグ2年目。球速が150キロを超えたのはBC福島に入ってからで、今や最速は155キロを誇る。

「1年目は独立リーグの仕組みもわからず、体づくりも曖昧なままでした。2年目はその二の舞になりたくなかったので、体重を増量しました。そうしたら球速のアベレージが2、3キロ上がりましたね」

 シーズン前半は、勝っている試合でも負けている試合でも、点差があっても登板するということが続いた。その頃はストレートとスライダー、フォークだけの投球で、それは岩村明憲監督(元ヤクルトほか)の方針だった。

「試合でコンスタントに投げていたのは、それだけアピールの場を作ってくださったのだと思います。球種を限定していたのは、去年はコントロールがばらついている部分があったので、監督が『まず真っ直ぐ、スライダー、フォークの3つを極めろ』と。それができてから他の球種を、ということでした。今でも球種は多くありません。真っ直ぐ、スライダー、フォーク、カットボールくらいですね」

 それでもリーグ戦では"ねじ伏せる"ことができる球威を持つ。防御率は1年目の5.68から、今年はチームトップの2.61と大幅に改善した。

「岩村監督、若松駿太コーチには力になっていただきました。特に監督には、グローブの出し方から細かく教えていただいて、それを取り入れました。独立では2年の勝負。もう2年目なので死ぬ気でやってきました」

 ソフトバンク三軍戦では149キロを計測。ヒットを打たれたが三振も奪った。一番の持ち味であるストレートは威力があり、平均球速も高い。それがあるからこそ、落ちる変化球も効果的。コントロールはまだアバウトなところがあるが、いつでもどこでも投げられるタフさもある。2勝5敗5セーブという数字以上に魅力を見せた。

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