【ドラフト2024】今年もBCリーグ選手は大量指名されるのか 最注目の有力候補5人 (2ページ目)
NPB投手の球を受け続けたことは、打撃にもプラスになった。
「『これならBCの投手の球は打てるはず』という自信になりました」
今年はドアスイングのクセを改善。本塁打こそ5本だが、打率は.265から.323に上がり、「打席で余裕が出てきた」と精神面の成長も窺わせる。故障離脱もあったが、9月20日のBC選抜×西武戦では2本の二塁打と盗塁阻止を見せて、勝負強さをアピール。ドラフト候補筆頭は変わらないだろう。
BC埼玉の西崎幸広監督(元日本ハム、西武)らは、今季キャプテンに指名された。求められたのは「積極的に前に出る」こと。
「今年は『町田のチーム』と言ってもらえた。目立てたかなと思います」
培ってきた自信が表情にも見えた。
【「夢を諦めない」総合力が抜群の捕手】
■大友宗(おおとも・そう/捕手/帝京大学→日本通運→BC茨城アストロプラネッツ/25歳/181cm・ 88kg/右投・右打)
捕手が続くが、総合力なら独立リーグ全体を見ても大友宗(BC茨城)に並ぶ者はない。東海大学時代から強肩・強打の捕手として注目され、卒業後は日本通運へ。木南了という社会人日本代表の捕手の陰には隠れたが、技術が2年間で培われた。
自ら「崖っぷち」と、背水の覚悟で独立リーグへ。25歳の今年、あと1年と決めた挑戦だ。
BC茨城では筋肉量を増やすなど肉体面を強化。4月6日のBC埼玉との開幕戦で本塁打を放ち、4月20日の栃木戦では3打席連発で注目を浴びる。シーズン12本塁打はリーグ2位だ。
守備面では、二塁送球に関しては盗塁阻止そのものよりもタイムを上げることを重視した。視野が広く、投手陣の信頼が厚い。コミュニケーション力や声も武器だ。守備時もベンチでも、常に大きな声でチームを鼓舞する。
「社会人時代、試合に出られない時も声は大事にしてきました。立場が変わってもそれを継続できることが、ひとつの武器と思っています」
選抜チームの円陣でも、試合前の空気を一気に引き締める声が響いていた。ソフトバンク戦の最終日には、大友らしいスイングでフェンス直撃二塁打を放っている。
登場曲として『夢をあきらめないで』(岡村孝子)を選んだ大友。帽子のつばの裏にも、曲名と同じ「夢をあきらめないで」の文字がある。諦めなかった男が、今年夢を掴むのか。
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