今季の佐々木朗希は「ここまで45点」 清水直行が厳しい点数をつけた理由を語った (3ページ目)
【CS出場のために佐々木に期待すること】
――9月4日時点(以下同)で3位のロッテは、2位の日本ハムと4ゲーム差。一方、4位の楽天とのゲーム差は2.5。CS出場をかけた争いが激しくなっています。そんななかで佐々木投手に期待することは?
清水 残りのシーズンを完走することですね。先発ローテーションのピッチャーはみんな頑張っていますし、佐々木もその一員として投げ切ってほしい。特に、ローテーションの一角である種市篤暉が右足内転筋の故障で離脱してしまいましたし、ここからチームを引っ張っていってもらいたいです。
――8月1日の西武戦で復帰登板を果たした以降は、アクシデント(8月15日の日本ハム戦で打球が当たって1回1/3で降板)がありながらもローテーションを守っています。
清水 アクシデントや打ち込まれる場面があるにせよ、しっかり投げることはできています。直近のソフトバンク戦では初球をスライダーから入ったりと、スライダーを多めにして的を絞らせませんでしたが、そういったピッチングでも結果を出しました。本人も手ごたえをつかんだんじゃないでしょうか。
160kmの真っすぐと140km後半のフォークで三振をとるのもひとつのスタイルですが、変化球を織り交ぜてかわしていくのもピッチングです。周囲は160kmの真っすぐを連発したり、完全試合を期待したりしますけど、彼には理想のピッチングスタイルがあると思うので、周りに振り回されずにそれを突き詰めていってもらいたいですね。
――その上で、シーズンを通してローテーションを守ってもらいたい?
清水 そうですね。どうすればシーズンを通して離脱せずに投げられるのか。コンディションの調整しかり、ピッチングスタイルしかり、そこに向かってじっくり取り組んでいってもらいたいですね。繰り返しになりますが、先発ピッチャーとして一番果たさなければいけない役割はそこだと思っているので。
【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)
1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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