今季の佐々木朗希は「ここまで45点」 清水直行が厳しい点数をつけた理由を語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【体が"黄信号"の状態での判断に迷い?】

――昨季終了後に話を伺った際には、先発としての働きは「50点」とおっしゃっていました。今季はいかがですか?

清水 やはり先発投手の柱のひとりとして年間24試合に投げられないのであれば、期待を裏切ってしまっているわけで、ここまでは45点ぐらいかな......厳しい採点になりますけどね。ただ、まだシーズンは終わっていませんし、ここからの挽回に期待しています。

――期待された今季、右上肢のコンディション不良で6月8日広島戦での登板を最後に登録抹消され、復帰まで2カ月近くかかりました。

清水 要は、コンディションの回復が追いつかないのではないでしょうか。160kmの球を投げるための出力は本人でないとわからないところですが、肩や肘の張りがなかなか取れないんじゃないかと思うんです。

 ただ、プロである以上はみんなどこかしらに痛みを抱えていますし、張りも残っていますが、多少の怖さを抱えながらも任された試合に出ています。これは先発ピッチャーに限らず、ブルペンのピッチャーも野手も同じ。シーズンが進んでいく過程で「どこも痛くない。バリバリ元気です」という選手はいません。決して精神論を語るつもりではないのですが......。

――佐々木投手の場合は、出力がほかのピッチャーよりも高いから、コンディションの調整が難しい?

清水 「コンディションは悪くはないけど、万全とは言えない」といった"黄信号"の状態をどう判断しているのか、というところですね。その判断を佐々木が下しているのか、トレーナーがしているのか、話し合って決めているのかはわかりません。どちらにせよ、「黄信号でも大丈夫」なのか、無理をして赤信号になるリスクを避けるために「黄信号で止めておいて、青信号になるまで調整しよう」なのか......そういった黄信号の幅というか、投球させる許容範囲がわからず探っている状態だと思うんです。

 でも、それは経験を重ねていかないとわからないことですし、佐々木だけではなくほかの先発ピッチャーも同じです。プロ野球選手になって、日々の練習や試合で朝から晩まで野球をしていれば体のあちこちに痛みが出てきますが、「どれぐらいの状態ならいけるのか」というのが把握しきれていないんじゃないかと。それがすべてだと思います。

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