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今季のDeNAの戦いを谷繁元信が解説 度会隆輝がぶち当たったプロの壁、筒香嘉智の本当の評価...

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

 三浦大輔監督就任4年目の今季のDeNAは、エース・今永昇太がメジャーに移籍し、昨季チーム最多勝のトレバー・バウアーが退団。開幕前は戦力低下が不安視されていたが、ルーキーの度会隆輝が開幕戦で衝撃的なデビューを飾ると、かつての主砲・筒香嘉智も復帰し、交流戦では10勝7敗と勝ち越すなど、今後の戦いに期待が高まる。12球団でもっとも優勝から遠ざかっているDeNAの優勝はあるのか。1998年の優勝メンバーである谷繁元信氏に、今季のDeNAの戦いぶりを解説してもらった。

開幕戦で本塁打を放つなど、鮮烈なデビューを飾ったDeNAのドラ1ルーキー・度会隆輝 photo by Koike Yoshihiro開幕戦で本塁打を放つなど、鮮烈なデビューを飾ったDeNAのドラ1ルーキー・度会隆輝 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【相手からすれば嫌な打線】

── 昨年チーム打率リーグ2位。首位打者経験のある宮﨑敏郎選手、佐野恵太選手、打点王の牧秀悟選手。さらに本塁打王経験のある筒香嘉智選手の加入。今季も攻撃面が活発です。

谷繁 現時点(6月16日現在、以下同)でチーム打率1位、盗塁数1位タイと、対戦相手から見ると嫌な打線なんだろうなという感じですね。

── そのなかで、とくに注目している選手は誰ですか?

谷繁 ドラフトで3球団が競合した度会隆輝が、どれだけやれるのか楽しみにしていました。オープン戦で首位打者に輝き、開幕戦で本塁打、その次の試合でも本塁打を含む4安打。快調な滑り出しでしたが、さらに前に進むあたり、プロの壁に苦しんでいました。その後、再調整のため5月中旬に一軍登録を抹消されましたが、6月11日に一軍復帰となった第1打席で2点タイムリー三塁打。今後どういう成長を見せるのか楽しみです。

── "プロの壁"というのは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

谷繁 打たれた相手は、いろいろなデータをもとに攻め方を変えてきます。その攻め方が厳しくなったことに対して、うまくアジャストできていない。プロは毎日試合をやるわけですが、好不調の波があるなかで、不調に陥ったときにどう立て直すのかが重要になります。ひとつアウトになることによって、さらにプレッシャーがかかってくる。そのときに、いろいろ考えすぎてフォームを崩してしまうと、なかなか抜け出せません。そういうものが積み重なって"壁"になるわけです。それをどう突き破るか、乗り越えるかです。

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