牧秀悟が明かすヌートバーとの友情秘話「たっちゃんにしかできないこと」 善光寺の勝守、カラオケ、大谷翔平...... (3ページ目)
そしてヌートバーの代名詞である"ペッパーミル"のパフォーマンスも、侍ジャパンと大谷をつなげる重要な役割を果たしてくれたと牧は振り返る。
「たっちゃんのペッパーミルのパフォーマンスを、大谷さんがヒットを打ったときにやったことで一気にチームに浸透しました。それでチームがひとつになったのは間違いありません。これもたっちゃんのおかげです」
牧も所属しているベイスターズで、ムードメーカーとしてチームを盛り上げているが、そもそもいつからその役割を大切にしていたのだろうか。
「小さいときから人前でしゃべるのは苦手ではなかったですし、友だちを喜ばせるのが好きでした。自分だけじゃなく、周りの人を巻き込んでいろいろやるのが楽しかったですね」
そして、なぜチームにムードメーカーが必要なのか。牧は次のように説明する。
「ただ勝った負けたではなく、団体スポーツはチーム力が大切です。そのためにも、みんなで盛り上げていくというのは、すごく大事なことだと思っています。試合中に緊張する場面もあると思いますが、その時に全員が同じ気持ちになれたら力を発揮できるんじゃないかと。ひとつになることができれば、チームはいい方向に進むと思いますし、そういう意味でムードメーカー的な人がいると大きいですよね」
ヌートバーが侍ジャパンにもたらしたものは何か? 牧に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「それこそ勇気じゃないですかね。異国の地からひとりで来て、知っている人がいないなかで野球をやることだけでも大変なのに、全力プレーでチームはおろか、日本中を沸かせてくれた。たっちゃんにしかできないことだと思います」
ヌートバーの"ペッパーミル"と同じように、牧にもホームランを打ったときのパフォーマンス"デスターシャ"がある。ペッパーミル対デスターシャ「どっちのパフォーマンスが勝ちか?」牧に聞くと、即答した。
「ペッパーミルでしょう。デスターシャは横浜界隈では知られていますが、ペッパーミルは日本だけじゃなく、世界で有名ですからね」
日米ふたりのムードメーカーは、今年もチームを盛り上げ、勝利に貢献することだろう。
著者プロフィール
ブラッド・レフトン
1962年、米ミズーリ州セントルイス生まれ。地元ラジオ局で大リーグ取材に携わった後、92年ミシガン大学で修士号取得。その後、NHKの番組制作に携わるため来日。96年に帰国。現在、日米両国の雑誌やテレビでフリージャーナリストとして活躍中。日本人メジャーリーガーや日本でプレーする外国人選手の取材を積極的に行なっている。
侍ジャパン悲願のWBC制覇〜写真で振り返る激闘の軌跡
3 / 3