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「なんでそういうタイミングで優勝なんだ...」 北條史也は阪神の18年ぶり優勝にむなしさを感じた (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

三菱重工・大川広誉GMのコメント

「北條選手の戦力外通告のニュースを見て、すぐ『ウチに来てくれる可能性があるかな?』と思いながらもオファーをさせてもらいました。一番評価させてもらっているのは人間性。高校時代の恩師である金沢成奉さん(現・明秀学園日立監督)には野球界の大先輩としてお世話になっていたんですけど、その金沢さんから北條選手の人間性のすばらしさを聞いていました。北條選手はタイガースの顔でもありましたし、関西を本拠地にしている三菱重工Westでも社員から応援してもらえると感じました。チーム内には高いレベルを目指す若い選手も多いので、坂本勇人選手(巨人)など名選手と一緒に野球をしてきた北條選手の経験をぜひ伝えてほしいなと。もちろん、数字を残してもらいたい思いもありますが、それ以上に北條史也という存在がチームにもたらしてくれるものは大きいと考えています。北條選手としても、野球人としてキャリアアップするうえでいい経験にしてもらえたらありがたいですね」

(おわり)


北條史也(ほうじょう・ふみや)/1994年7月29日、大阪府生まれ。光星学院高(現・八戸学院光星)では1年秋から主軸を担い、2年夏から3年夏まで3季連続甲子園準優勝を果たした。12年のドラフト会議で阪神から2巡目で指名され入団。プロ4年目の16年には自己最多の122試合に出場し、打率.273、5本塁打をマーク。18年にも打率.322を記録したが、同年9月に左肩を脱臼。20年以降は出場機会を減らし、23年は一軍に昇格することなく、戦力外を受けた。その後、社会人野球の三菱重工Westに加入することが決まった。

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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