ヤクルト沼田翔平が「シーズンを捨てたから毎日のようにできた」と体力強化 支配下登録へ「一度クビになった人間...性格悪くいきたい」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 10月のフェニックスリーグでは、髙津臣吾監督が視察に訪れた試合で7回2失点と好投。11月は台湾でのウインターリーグに参加し、3試合に先発。2勝0敗、防御率0.47というすばらしい結果を残した。

 台湾では、日本はいい環境であるがゆえに、おろそかにしていた部分があったんじゃないかと、練習2日目に痛感したという。

「台湾のボールはツルツルだったので、叩きつける人もいれば、バックネットに投げてしまう人もいました。今までと同じ投げ方だと、ボールが指にかからない。スピンしないし、どっちにボールがいくかもわからないんです。そこで『このようにしたらどうなるか』と、対応しながら投げたことはいい経験になりました」

 そしてオフ、沼田はヤクルトと育成再契約を結んだ。2月の一軍キャンプでは遅くまで球場に残り、地道な練習を繰り返した。キレのある真っすぐ、スライダー、カーブ、シュート、そして昨年習得したという「大きいの」「小さいの」という2種類のフォークも磨いている。

 自身の投球スタイルについて聞くと、「ピッチングに性格が出るタイプ」と沼田は言った。

「勝負どころで力んで引っかけてしまったり、相手が真っすぐを待ってるとわかっている時でも『それでも勝負したろ』となってしまう。それが悪いほうに出るタイプなので、今年はその気持ちを一生懸命こらえて、性格悪くいきたいですね(笑)。ここでカーブを投げたら相手はどういう顔をするんだろうとか。僕のボールはフライになりやすい性質なのに、それがゴロになったりしたら相手は気持ち悪いでしょうし。そういうボールを試合でうまく使えたら、成績にもつながるんじゃないかと思っています」

 今シーズン、沼田が目指すのはもちろん支配下登録だ。

「そのために、先発として試合は必ずつくりたいです。5回までは投げきりたいし、あわよくばそこからどれだけ投げられるか。とにかくリリーフに負担がかからないように頑張ります」

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