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阪神38年ぶり優勝の立役者は? 野田浩司が語る「オリックス投手陣にボディブローを打ち続けた4人」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 宮城投手、比嘉投手とも普段は緩急を使った投球が持ち味の投手ですが、この試合は得意のスローカーブの割合が少なかったように思います。とくに宮城投手は第2戦に先発して、緩急を使ったピッチングで阪神打線を6回無得点に抑えていました。それだけにもう少し緩い球を投げてもよかったのかなと。

 ピッチャーとして、点をとられたくない場面で緩い球を投げるのは勇気がいります。その心理はわかりますが、宮城投手は緩急の使い方が天才的で球界でもトップクラスです。先にオリックスが得点していれば、もっと大胆な投球ができたのかもしれないですが、1点をとられたくないという意識が強くあったのかもしれないですね。

 一方の阪神先発の青柳晃洋選手は日本シリーズ初登板で、今シーズンは二軍落ちも経験するなど苦しみました。その青柳投手がどんなピッチングをするのか注目していたのですが、オリックス打線はタイミングを合わせるのに苦労していた印象があります。

 青柳投手のような変則的なサイドスローの投手は、初見で対応するのは簡単ではありません。しかもしっかり両サイドに投げ分けていましたし、適度に荒れていた。オリックスの左打者はなんとか対応できていたと思いますが、右打者は苦労していましたね。結果的に、青柳投手の先発は見事にハマりました。

【隙のない阪神の野球】

 今回の関西ダービーは戦前の予想どおり、僅差の勝負になりました。実力は拮抗していましたし、オリックスが日本一になってもまったく不思議ではなかった。そんななか勝負の分かれ目となったのは、甲子園での第5戦でした。

 オリックスは先発の田嶋大樹投手が7回まで無失点の好投を見せ、2対0とリードのまま8回から継投に入りました。これがオリックスの戦い方ですし、シーズン中はこのような展開で逆転されることがまずありませんでした。それだけに自信を持って山﨑颯一郎投手、宇田川優希投手を送り出したと思うのですが、逆転を許してしまった。

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