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高橋慶彦はロッテでやらかし阪神にトレード「うれしかった。でも縦縞は似合わなかったね」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki

 3月30日、藤井寺球場での近鉄対阪神戦。開幕1週間前のことだ。試合前の始球式のマウンドに上がったのは、大阪出身で阪神ファン、野球通で知られていた芸人の山田雅人。左打席に1番の高橋が入ると、意外にも山田が投げたボールは速く、体のほうに向かってきた。避けきれず右ヒジで受け、その場に倒れ込んだ。

「本当に速い球、投げたんよ、あいつ。すぐ治療してもらって、試合にはそのまま出たけど、3回で交代したからね。今の選手はヒジ当てしているから大丈夫やけど、当時はないから。阪神で頑張ろうと思っていたのに、そういうふうについてないところもあって、ダメだったよ」

 当たった箇所は内出血していたため、応急処置で血を抜く治療が施された。しかも、2日前のオリックス戦では、右打席に立って左ヒジに死球を受けたばかり。大事な開幕を無事に迎えたい高橋にとって、この2つの「死球」はストレスでしかなかった。

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(=敬称略)

高橋慶彦(たかはし・よしひこ)/1957年3月14日、東京都生まれ。城西高から74年にドラフト3位で広島に指名され入団。78年に遊撃手のレギュラーとなり、79年に盗塁王、33試合連続安打などの活躍でリーグ優勝、日本一に貢献。80年にも2年連続盗塁王に輝き、85年には自己最多の73盗塁で自身3度目の盗塁王を獲得した。90年にロッテに移籍、91年に阪神に移籍し、92年限りで現役を引退した。引退後はダイエー、ロッテ、オリックスでコーチ、二軍監督を歴任した

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著者プロフィール

  • 高橋安幸

    高橋安幸 (たかはし・やすゆき)

    1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など

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