広島とDeNAのCSファーストステージ予想 高木豊が選手起用法やキーマンを分析 (4ページ目)
【打線における林の責任は大きい】
――佐野選手が離脱した影響はどう見ていますか?
高木 もちろん痛いです。ただ、短期決戦は守備の破綻が一番嫌なんですよ。相手もいいピッチャーが登板するので簡単には打てないですし、接戦になると守備力が高いほうが勝ちを拾えます。その点、佐野に代わって外野に入った大田は強肩ですし、守備範囲も広いので安心感があります。
――打線のキーマンは?
高木 やはり牧秀悟と宮﨑敏郎でしょう。ただ、この2人はある程度やってくれるという前提で考えると、シーズン終盤の試合に1番で起用されていた林の出塁率が大きなポイントになってくる。打順のパターンはいろいろあるでしょうが、大田が3番で、やはり1番は林だと思うので、足を使っていくべきだと思います。
広島戦の打率は、牧(.238)も宮﨑(.269)もあまりよくないですが、2人がポイントゲッターであることは明確です。なので、林の責任が大きくなるかなと。
――リリーフ陣はいかがでしょうか? 脚の張りから復帰を目指している森原康平投手の状態は気になるところですが。
高木 森原の状態が難しければ、クローザーは(J.B)ウェンデルケンでもいいんじゃないでしょうか。ただ、そうなると8回がいなくなるので、(エドウィン・)エスコバーや伊勢大夢に任せるのか。リリーフ陣は、質はともかく"量"はいるので、仮に森原が戻ってこられなくてもなんとかなりそうですけどね。
――ファーストステージの勝敗はどうなると思いますか?
高木 2勝0敗でDeNAと予想します。やはり先発ピッチャーがいいですし、特に対広島戦で4勝0敗、防御率1.84の東を打つのは至難の業だと思います。それで先勝すれば、そのまま連勝でファイナルステージへと駒を進めるんじゃないでしょうか。
(ファイナルステージ展望:阪神は広島とDeNAのどちらが戦いやすい?>>)
【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
【写真】 DeNAチア、モデル、K-1ガールズ、管理栄養士etc.「注目レースクイーン19人」アップ&全身フォト(38点)
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