パ・リーグ新人王中間報告 本命はオリックス山下舜平大 攝津正が挙げた対抗馬は? (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

── 大津投手は、今季のNPB支配下登録選手のなかで体重は最軽量の63キロ。スタミナ面の不安は大丈夫でしょうか。

攝津 体重は軽いですが、大学、社会人を経由していますので体力はあると思います。

── 大津投手が新人王を獲得するのに必要なことは何だと思いますか。

攝津 昨年、プロ2年目の水上由伸(西武)投手が60試合に登板して35ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎのタイトルを獲得して、新人王に輝きました。セ・リーグでも湯浅京己(阪神)投手が59試合登板の45ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルを獲得。新人王こそ37セーブの大勢(巨人)投手に譲りましたが、最後まで争いました。数字的にはこのあたりが目安になるのではないでしょうか。

 私も2009年に70試合に登板して39ホールドポイント(最優秀中継ぎ投手)、防御率1.47で新人王を受賞しました。ただ、先発投手が2ケタ勝利をマークすると、印象度としてはそちらのほうが強いかもしれませんね。

── 中継ぎ投手では、オリックスの宇田川優希投手も新人王の有資格者です。

攝津 昨年の日本シリーズやWBCの活躍で、新人王の資格があるとは思えないほど貫禄があります。ただ、昨年の日本シリーズで今年3月のWBCの時ほど状態がいいとは言えません。もちろん、後半戦の活躍によって十分チャンスはあると思います。

【打者は打率3割が最低条件か】

── 打者で注目する選手はいますか。

攝津 茶野篤政(オリックス)選手は独立リーグから育成4位でのプロ入りにもかかわらず、開幕戦でスタメン出場を果たしました。育成入団の選手が1年目の開幕戦で先発出場するのは史上初です。

 また6月1日の広島戦では、満塁弾を含む6打点の活躍。身長175センチとプロでは小柄なほうですが、高めのストレートにも力負けしないし、変化球にもしっかり対応できています。打率が3割に到達すれば、新人王レースの「大穴」として浮上すると思います。

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