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菅野智之は復活できるか 広岡達朗は期待するからこそ辛辣「5億円の価値はない」 (3ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin
  • photo by Sankei Visual

「中6日で100球なんて過保護すぎる。だったら130球くらい投げろと言いたい。100球だったら、中5日で十分だ。それくらいしないと、強いピッチャーなんて育つわけがない」

 楽天の田中将大がニューヨーク・ヤンキースに移籍した時、「慣れてしまえば登板間隔はさほど問題ではないと思う」と語っていたように、日本では中6日で投げていた投手が、メジャーの中4、5日に順応している。要は、調整のやり方に慣れていないだけの問題にすぎない。

「菅野は誰よりも負けん気が強く、中5日を志願しても不思議ではないと関係者は言っていたが、ここまで何もしていないんだからフル回転は当たり前だ。菅野が計算できるようになれば、チームは間違いなくいい方向に進む。これでまた故障や不調を理由に登板回避するようなら、いよいよ考えないといけない」

 いつになく厳しい言葉が続いたが、菅野の復活によって巨人が浮上することは間違いない。もはや打線に頼れない状況だけに、投手陣の整備は上位争いを演じるためにも不可欠である。

「阪神がもたついた感があって勢いを止めるチャンスがあったのに、できなかった。だから巨人はいつまでたっても大きな貯金をつくれずにいる。これからの戦いはチームにとっても、菅野にとっても正念場になるだろうな」

 はたして、菅野は以前のようなピッチングを取り戻すことができるのか、注目したい。

著者プロフィール

  • 松永多佳倫

    松永多佳倫 (まつなが・たかりん)

    1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。

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