菅野智之は復活できるか 広岡達朗は期待するからこそ辛辣「5億円の価値はない」

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin
  • photo by Sankei Visual

 広岡はこれまでの菅野を評価しつつも、今シーズンのピッチングについてこう指摘する。

「菅野はメジャーに行こうとしていたみたいだが、つくづく行かなくてよかったと思う。行っていたら、藤浪(晋太郎)みたいになっていただろうな。今季の菅野を見ると、ストレートをほとんど投げずに、変化球でかわしている。それ自体は年齢的な衰えもあり仕方のないことかもしれないが、気になるのは締まらない体つきだ。そこから放たれる球はキレも伸びもない。

 経験で身につけた投球テクニックだけで打者を打ちとっている印象で、上体だけで投げているようにしか見えない。速球派にとってモデルチェンジは宿命であり、菅野も緩い変化球でミートポイントをずらすピッチングを磨いていくことになるだろうが、それにしてももっと体を絞らないと......あっという間にダメになるぞ。これまで積み重ねてきた功績もあって今季の年俸は5億円だそうだが、現状はまったくその価値はなしだ」

 広岡は菅野のピッチング自体を否定しているのではない。モデルチェンジをするなら肉体改造も視野に入れ、年齢からくる衰えと戦わなければならない。はたして、その覚悟が菅野自身にあるのかどうか、広岡はそこを問うているのだ。

【菅野には給料分は働けと言いたい】

 現状、巨人のエースは戸郷であり、これに新外国人のフォスター・グリフィン、山﨑伊織が三本柱だろう。菅野に全盛期の力を求めるのは酷であり、ローテーション投手として5、6回を投げ、試合をつくってくれれば御の字だ。

「2年前のシーズン、後半戦から先発ローテーション投手を中5日で回し、ほかが全滅するなか、菅野と戸郷だけは安定したピッチングを見せていた。結局、巨人は菅野と戸郷がやらないとダメなんだ。戸郷はWBCからフル回転しているんだから、せめて菅野には給料分は働けと言いたい」

 2021年シーズンは、東京オリンピックの中断期間もあってか、9月に入ってから菅野、山口俊、戸郷、高橋優貴、C.C.メルセデスの5人が中5日のローテーションでマウンドに上がり続けた。原辰徳監督は常々、中6日、100球をメドにしたローテーションに異を唱えていた。これに関しては、広岡も同意見だ。

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