理想の1番~9番バッターとは? 高木豊が語る「打順」論、歴代プロ野球の「最強打線」についても語った
高木豊が語るプロ野球の「打順」 後編
「各打順の役割」について
(前編:岡田監督や新庄監督も重視する「6番打者」 その役割と、現役と歴代で理想的6番を挙げた>>)
高木豊氏に聞くプロ野球の「打順」。前編では「6番打者」をクローズアップしたが、他の打順に求める役割についてはどう考えているのか。併せて、それに適している選手を現役と歴代で選んでもらった。
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――高木さんにとって理想的な1番打者とは?
高木豊(以下:高木)一番求めたいのは出塁率で、理想は.370以上。あと、絶対に走力が高いほうがいいですね。現役選手で理想的なのは、阪神の近本光司です。
――2番については、かつては「小技がきく"つなぎ"の選手」、近年ではより攻撃的な打者を入れる「2番打者最強説」など議論になりやすい打順ですが、どうお考えですか?
高木 チームの状況によって役割は変わってくると思います。例えば、ピッチャー陣が弱いチームの場合、2番に強打者を入れて大量点を狙いにいく必要がある。ただ、そこそこピッチャーが揃っていれば、私は2番も出塁率が高く、かつ細かい作業ができる選手を置きたいですね。作戦の幅も広がりますから。
今シーズンであれば、やはり阪神の中野拓夢がベストかと思います。ただ、僕は2番には右打者を入れたいんですよ。バッターは「絶対に流して打て」と指示を出せば打てるもの。逆に「絶対に引っ張れ」と言うとミスをしがちなんです。2番打者は、ランナーがいる時に右方向に打つことを求められるケースが多いので、そういう意味で右打者が理想ではあります。
――3番はどんな打者がいいでしょうか。
高木 3番は万能じゃないと務まりません。ここ数年は苦しいシーズンもありますが、過去の実績もふまえると、ヤクルトの山田哲人のような選手ですね。3割・30本を打つだけじゃなく、30盗塁でチャンスを拡大できるわけですから。トリプルスリーまでとは言わずとも、同じくらいの成績が残せそうな選手に入ってほしいですね。
歴代の選手であれば、やはりトリプルスリーを達成した野村謙二郎や金本知憲、松井稼頭央など......そういう選手が3番を打つチームは強いと思います。
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