理想の1番~9番バッターとは? 高木豊が語る「打順」論、歴代プロ野球の「最強打線」についても語った (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――ちなみに、歴代で理想的なオーダーを組んでいたチームは?

高木 V9時代の巨人です。1番センター・柴田勲さん、2番レフト・高田繁さん、3番ファースト・王貞治さん、4番サード・長嶋茂雄さん、5番ライト・末次民夫さん、6番ショート・黒江透修さん、7番セカンド・土井正三さん、8番キャッチャー・森昌彦さん。これ以外の打順もありましたが、印象に残っているのはこの打順です。9連覇しているチームの打順に、なんの文句があるんだって話ですよね(笑)。

 柴田さんはスイッチヒッターで足がありましたし、王さんと長嶋さんは言わずもがな。末次さんは大舞台で勝負強く、高田さん、黒江さん、土井さんはチームバッティングや堅実な守備が光っていました。

――その他のチームを挙げるとすれば?

高木 1985年にリーグ優勝・日本一を果たした時の阪神ですかね。実際、僕も対戦しましたけど本当に強烈でした。1番に、30本以上ホームランを打てて足もある真弓明信さん。2番に3割近く打って、細かいこともできる弘田澄男さん。

 3番の(ランディ・)バースが打率.350で54本、4番の掛布雅之さんが打率.300で40本、5番の岡田彰布さん(現阪神監督)が打率.342で35本。さらに、6番の佐野仙好さんは勝負強かったですし、7番の平田勝男さんと8番の木戸克彦さんもこの年は打っていた印象です。半端じゃなかったですね。

――挙げていただいた打線の共通点は、ほとんどオーダーが固定されていることですね。

高木 日替わり打線、そこまでいかなくても割とオーダーが変わる打線で優勝するチームもありますが、やはり固定されているチームが一番強いですよ。V9の巨人にしろ、黄金時代の頃の西武にしろ、何連覇もするようなチームはオーダーが固定されていましたからね。


【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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