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松永浩美が「絶対に使っていくべき」と猛プッシュするパ・リーグの若手バッター2人 「腕と腰」の使い方を絶賛した (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――来田選手と同じように、手首や腕の使い方がいい?

松永 そうですね。腰を回転する時の腕の使い方がうまくて、遠心力も効いています。バッティングフォームを見る限り、あまり大崩れしないタイプだと思います。こういう選手はあまり指導しなくても勝手に伸びますよ。

 やはり心配なのは、(セ・リーグ編で話した)阪神の佐藤輝明です。トップを作るのが遅くて、左の軸足に体重がしっかりと乗っていない。下半身をうまく使えていないので、速いボールにも腕だけで対応せざるをえない形になってしまっているんです。

 ポテンシャルという点では、矢澤より佐藤のほうが上だと思いますが、ボールに力をうまく伝えるための体の使い方、遠心力の効いたバッティングに関しては矢澤のほうが数段上だと見ています。

――矢澤選手は、6月3日の巨人戦で本塁にヘッドスライディングをした際、左手小指付け根と右膝を負傷。現在は出場登録を抹消されていますが、今後は積極的に起用するべき?

松永 絶対に使っていったほうがいいです。当然ですが、使っていかないと経験値も増えないですから。ひとつひとつ壁を乗り越えていくことで、選手としての幅が広がっていくわけですからね。

矢澤は成績はまだまだ(打率.184 )ですけど、首脳陣はポテンシャルのある選手を見極めて、我慢して使っていく覚悟が必要だと思います。使われる側の選手は、失敗を糧にしながらどんどん成長していってほしいですね。

【プロフィール】
松永浩美(まつなが・ひろみ)

1960年9月27日生まれ、福岡県出身。高校2年時に中退し、1978年に練習生として阪急に入団。1981年に1軍初出場を果たすと、俊足のスイッチヒッターとして活躍した。その後、FA制度の導入を提案し、阪神時代の1993年に自ら日本球界初のFA移籍第1号となってダイエーに移籍。1997年に退団するまで、現役生活で盗塁王1回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞4回などさまざまなタイトルを手にした。メジャーリーグへの挑戦を経て1998年に現役引退。引退後は、小中学生を中心とした野球塾を設立し、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスでもコーチを務めた。2019年にはYouTubeチャンネルも開設するなど活躍の場を広げている。

◆松永浩美さんのYouTubeチャンネル「松永浩美チャンネル」

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