「山川穂高問題」だけが理由じゃない! 伊原春樹が松井稼頭央新監督の西武が苦戦している理由を分析 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

【完全なレギュラーは源田と外崎のみ】

── 打線は、一部で女性問題が報じられた山川穂高選手が総合的に判断してコンディション調整により登録抹消されましたが、WBCで右手小指を骨折し開幕から欠場していた源田壮亮選手が5月26日に復帰しました。

伊原 個人的には、3・4月に打率.308、8本塁打を放ち、月間MVPを受賞した中村剛也が右脇腹痛で5月27日に登録抹消されたのが痛いですね。打線の核になっていましたし、一発の怖さを持った選手がいるのといないとでは違います。

 西武は2018、19年に"山賊打線"と呼ばれていましたが、浅村栄斗(楽天)、秋山翔吾(広島)、森友哉(オリックス)が抜けた。さらに、今は中村と山川が不在。現状、完全なレギュラーと言えるのは源田と外崎修汰しかいません。

── 昨年、チーム打率.229はリーグ6位、得点464は5位でした。さらに、チーム盗塁数60もリーグ6位。そうしたこともあって、今シーズン「走魂」をスローガンに掲げたのでしょうね。

伊原 現時点で35盗塁はリーグ2位。昨年は143試合で60盗塁だったことを思えば、まずまずだと思います。得点力が少ない分、「隙あらば......」という姿勢が見てとれます。源田は盗塁王の経験があり、シーズン20盗塁以上は外崎が4回、若林楽人も1回経験しています。ただ、いかんせん長打不足による得失点差のマイナスが順位に反映してしまっています。

── 注目している若手選手はいますか。

伊原 外野手では若林、愛斗、左打者の鈴木将平、川越誠司。中距離ヒッタータイプが多く、ファームで結果を出している昨年ドラフト1位の蛭間拓哉がなかなか一軍昇格できないほどです。

── 内野手はいかがですか。

伊原 内野手は、山川の代わりに渡部健人や長谷川信哉といった選手が出てきました。まだ粗さはありますが、経験を積むのは大事なこと。捕手にしても、森の代わりなどすぐに出てくるはずがありません。そんななか、柘植世那、古賀悠斗が奮闘しています。今は大変かもしれませんが、楽しみな素材が多いのは間違いありません。

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