山本由伸が今年「捉えられる」理由を星野伸之が分析 リリーフ陣は1、2点差のビハインドで課題も (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――踏み出すほうの足を意識して、突っ込み気味になることのデメリットは?

星野 突っ込んでしまうと、球離れが早くなってしまうんです。特に、ランナーがいる時のスライドステップがそう。どこかに「早く投げなきゃ」という気持ちがあるので、体が先に前にいって腕が遅れてくると、「もうボールを放さないと」という意識が働いてしまい、腕の振り幅が弱くなって力が入りません。

―― 一方、リリーフ陣は宇田川優希投手が不在ですが、山﨑颯一郎投手が安定したピッチングを見せています。また、昨シーズンは一軍での登板がなかった漆原大晟投手は、6月7日の巨人戦では4失点したものの、それまでは12試合無失点と頑張っていますね。

星野 三振を取りたい時に取れる宇田川がいないのは痛いです。本田仁海にはもう少し 頑張ってほしいですね。球威はあるのですが、高めのボールが多いのが気になります。阿部翔太は昨シーズン投げた疲れなのか技術的な部分なのか、いまひとつです。

 漆原も、一番いい状態まではいっていない印象です。彼の場合はもうひと押しなんですよ。バットをグッと押し込む力というかね。

 そう考えると、ベテランの平野佳寿や比嘉幹貴、助っ人の(ジェイコブ・)ワゲスパックは別として、リリーフ陣はまだ横一線な印象です。言いかえれば、まだ平野に頼らなきゃいけない部分が多いということ。平野を見ていたら「こういうピッチングをしたら信頼を得られるんだ」というものがわかると思いますし、いい部分を見習ってほしいです。

――昨シーズンは、最初は先発だったワゲスパック投手がリリーフに転換されて胴上げ投手になりましたが、今シーズンもピッチャーの役割は流動的?

星野 手探りの状態だと思います。ブルペン捕手に聞いて「今日はいいですよ」となれば使って、そうでなければ使わない。使ってみて結果が出たら「本当だな、いける」という感じで起用しているんじゃないかなと。相当、入れ替えもあると思います。

 ワゲスパックが先発で今ひとつだったのがクローザーでハマったように、先発がいいのか、リリーフがいいのかを見定めているピッチャーもいると思います。ワゲスパックがまたクローザーになる可能性もあると思いますし、本田も力があるので期待していますが......現段階では、すごく迷っていると思いますよ。

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