NPB史上5人の天才打者を審判歴38年の名アンパイアが選出「3000安打はできた」「高卒1年目からモノが違った」 (2ページ目)
セ・パ両リーグで首位打者に輝いた内川聖一この記事に関連する写真を見る
【インコースを右方向に打つ内川聖一】
内川聖一選手(元横浜ほか)は2008年に右打者として最高打率となる.378をマークし、セ・パ両リーグで首位打者に輝くなど、球史に残る好打者のひとりです。内川選手は内角球を打ちにいく時のバットの出(で)が印象深いバッターです。
バットのグリップから出ていって、最後の最後でヘッドが走るという感じです。なんと表現したらいいのかわからないのですが、俗に言う「インサイドアウト」の軌道で、その理想形だったと思います。
ほかの打者と比較してもヘッドの走りが滑らかでした。できるだけボールを体に近い部分に引きつけて、バットの芯に当てて右方向に持っていくのです。その技術力の高さには驚かされました。
過去6回の本塁打王に輝いた中村剛也この記事に関連する写真を見る
【天性のホームランアーチスト・中村剛也】
中村剛也選手(西武)のバッティングは、ファンのみなさんがテレビや動画で見て感じるままだと思います。無駄な力がまったく入っていません。
一塁塁審で見ていても、絶対に体が前に突っ込まない。ボールがインパクトゾーンにきた瞬間、体をクルッと回転させて、軽く振って本塁打になります。中村選手のホームランは芸術的。まさに「アーチスト」ですね。
統一球問題に揺れた2011年、どの選手もホームラン数が減少するなか、中村選手はシーズン48本塁打を記録。この年ロッテのチーム本塁打が46本だったのですが、中村選手がいかに異次元だったかがわかります。
よくホームラン打者は「ボールの真ん中より数ミリ下にバットを入れて、逆スピンの回転をかけて飛ばす」という話を聞きますが、中村選手はそれを実践しているのかもしれないですね。間近で見ている球審でも、そこまではさすがに判断がつきませんが......。
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