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予想外のロッテ首位、ソフトバンク苦戦の理由、日本ハムの「理解できない」起用法も 波乱のパ・リーグを高木豊が分析 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

【競争がうまく作用しているロッテ】

―― 一方、開幕カードのソフトバンク戦で3連敗を喫したものの、14勝10敗(4月30日時点、以下同)で首位タイのロッテはどう見ていますか?

高木 チームに一体感がありますね。この一体感には「競争」も含まれています。平沢大河を1番に抜擢したり、ルーキーの友杉篤輝、藤岡裕大をショートで競わせたり。キャッチャーも松川虎生を2軍で修行させ、田村龍弘、佐藤都志也、江村直也らで競わせています。

 平沢をはじめ、今まで実力があるのに使われてこなかったり、競争したくても競争させてもらえなかった選手たちが競争できている状態。チームが活性化して、それがチームの"輪"になっているという感じです。

 今は髙部瑛斗と荻野貴司が離脱しているので、チーム関係者に「戻ってきたらどうするの?」と聞きましたけど、「藤原恭大はちょっと外せないし、そうなったら山口航輝をファーストにして......」と迷いを口にするくらい、戦力が余り出しているんです。ファーストで山口を起用したら井上晴哉が出られなくなりますし、DHの競争も激しくなりますね。

――各ポジションで競争意識が芽生え、チームがうまく回っているわけですね。

高木 そうでね。あと、ロッテは足を使える。パ・リーグはエース級のピッチャーが多いですし、最近はホームランで決着がつく試合も多いですが、長打が出ない場合はやっぱり足なんです。

 藤原と友杉がエスコンフィールドでの日本ハム戦で1、2番コンビを組んだ時なども、一・三塁の場面をよく作っていました。友杉は三遊間寄りの平凡なショートゴロでもセーフになりますし、相手チームが足を警戒してかなり前に守るようになると、今度はヒットゾーンが広くなりますしね。

――先発ピッチャー陣はどうですか? 佐々木投手は期待通りのピッチングを見せ、ローテーションの軸として牽引しています。

高木 大黒柱ですよね。相手チームは、3連戦の頭に佐々木に投げられるとバッティングが狂う傾向がある。この前のソフトバンク戦でも、ソフトバンク打線は佐々木の真っ直ぐに対して「1、2、3」のタイミングで打ちにいっていたんですが、次の試合で西野勇士をパッタリ打てなかった。3戦目にはちょっと持ち直しましたけど、やっぱり感覚的にバッティングはおかしくなりますよ。

――リリーフ陣の運用はどう見ていますか?

高木  吉井理人監督はピッチャーを見る目が確かですし、柔軟に対応していますね。例えば、クローザーを固定してしまうと、やられた時に配置転換をしにくくなるのであえて決めず、相手の打順を見るなどしながら柔軟に起用している。選手のほうも気が楽だと思います。

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