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ヤクルト星知弥が「うまくいっていない感じ」から150キロ台連発で驚異の奪三振率 清水昇が語った変化 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「これまでは肩であったりヒザであったり、コンディションの部分で頭では理解しているけど、体がついてこないところがありました。今はコンディションが戻ったことで、トレーニングができるようになり、頭で考えていることを体現できるようになりました。そのことで出力も上がったと思います。自分のなかで勝負のシーズンだと思っているので、悔いがないように持てる力をアピールしたいです」

 小野寺コーチも「オープン戦の映像を見ましたけど、必死になって腕を振っているんだろうな」と星の状態に安堵の表情を浮かべた。そして星は開幕を一軍で迎えることになった。

【大学時代に語っていた理想の速球】

 4月2日の広島戦では同点の8回表に登板。無失点に抑えると、その直後にチームが勝ち越しに成功。4年ぶりの勝ち星を手にした。試合後の囲み会見では、「自分のボールに対して、やっと自信が持てているのかなと思います」という言葉を口にした。

「今年はただ自信を持って投げる。そこしか考えてないです」

 開幕から7試合連続で無失点ピッチングを続けていた星だったが、16日の広島戦では4点リードの6回裏二死満塁の場面で登板。"火消し"を託されたが、田中広輔に同点満塁本塁打(自責点1)を浴び、その後チームも勝ち越され敗戦。

 不安がよぎったが、次の登板となった20日の中日戦では同点の7回表にマウンドに送り出されると、再び圧巻の投球を見せた。

「ああいうこと(満塁本塁打)もありましたが、もう気持ち的にはリセットしていました」

 星は先頭のブライト健太に対して、初球を154キロの真っすぐでファウルにすると、最後は152キロの真っすぐで空振り三振。続く大島洋平、アリスティデス・アキーノも空振り三振で打ちとった。チームの延長11回サヨナラ勝ちにつなげたのだった。

 こうした星のピッチングについて、小野寺コーチは「今は腕を振って、真っすぐも変化球も打者に向かっていけています」と話す。

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