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ヤクルト星知弥が「うまくいっていない感じ」から150キロ台連発で驚異の奪三振率 清水昇が語った変化 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 ライン上のキャッチボールから3日後、星は二軍の巨人戦で9回に登板し、サヨナラ2ランを浴びる。小野寺コーチは「いつも同じやられ方」と言った。

「四球を出してからのホームランだったり、ツーアウトからスッと入ってのホームランだったり......。そういうところは成長していかないと、自分はどういうふうにやられているのか考えていこうという話はしました。もちろん四球を出さないほうがいいのですが、同じ四球にしてももっと勇気を持って腕を振っていこうと」

【清水昇が語った星知弥の変化】

 それから2日後の3月14日、同カードで再び登板した星は1回を3者連続三振。17日には一軍に呼ばれ、その日の阪神とのオープン戦(神宮)でも最速154キロの真っすぐと140キロ台のフォークで3者連続三振という圧巻のピッチングを披露した。その後の3試合でもひとりの走者も出さない完璧な投球を見せた。

 チームのセットアッパーである清水昇は、自身の1年目が終わった時に星から「お互いにどうにかしないとな......」と、オフは一緒に自主トレをするようになった。

 清水は、今年の自主トレでの星を見て「正直、うまくいっていない、いろいろと噛み合わないのかなという感じがしました」と言った。

「それが、星さんが一軍に合流した時にはすごくスッキリした顔をしていたんです。何かちょっと変わったかなと思って......。いざピッチングを見たら、球は速いし、自信を持って投げていました」

 話しかけてくる言葉も、これまでとは違っていたという。

「前は『どうやって投げてる?』とかだったのが、今は『相手バッターに対してどういう意識で攻める?』と。すごく自信を持って投げているのだなと。僕もそれに感化されて、負けないようにやっています」

 そして星自身は、オープン戦期間中に「真っすぐが戻ってきたことが一番大きいのかなと思っています。そのことで課題としている変化球も、自然と曲がったり落ちたりしてくれている」と話した。

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