「こういうピッチング方法もあるな...」 ヤクルト・清水昇がチェコの投手から学んだパワー全盛時代だからこそ生きるヒント (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Taguchi Yukihito

 清水は2月の浦添キャンプでは、例年より1週間遅れて開幕することも考え、第1クール、第2クールはブルペンに入ることを我慢した。のちにブルペン入りすると、とても腕が振れているように見えた。

「1年目に腕を振れと言われ、一生懸命振りました。2年目、キャンプでは腕を振って、たくさんボールを投げました。そのなかで、腕を振るにも理にかなっていないとダメなんだ、ということを知りました。全身で投げるのか、連動して投げるのか、いろいろ考えた結果、自分の投げたいフォームというか、いろんな方からアドバイスいただいた『腕を振れ』というのが、ちょっとですがわかってきた感じです」

 ブルペンからは「新球を試しているみたいですよ」という声が聞こえてきた。

「『何かやってるでしょ』みたいに思われるのは、自分にとってすごくうれしい言葉ですね。なので、清水が何かをやっているということにしておいてください(笑)。本当に球種を増やしているかもしれないですし、真っすぐや今まで使っていた変化球のレベルアップに取り組んでいるかもしれない。僕としては、いろいろなことにトライしたいので、それはシーズンが終わった時に」

【WBCへの思い】

 キャンプ終盤、清水は「経ってみたらもう4年目が終わったという感じでしたけど、今はやっと5年目になったんだな」と、独特な表現で言ってきた。

「3年目や4年目だったら『まだ若いね』と言われますけど、5年目になると周りの反応も変わってきます。だからこそ、5年目になって『落ちてきたね』と言われたくない。常に右肩上がりが理想ですけど、何かしら上がってくれたらいいなと思っています。

 去年はゴロの凡打が増えましたが、その分、奪三振率が減ったので、今年はどちらも増えたらうれしいですよね。やっぱりクローザーを目指すのであれば、奪三振率は9.00(昨年は8.29)以上はほしいと思っています」

 チームは昨年までクローザーを務めていたスコット・マクガフが退団。髙津監督は新守護神について、「本当にクローザーをはじめ、何も決まっていません」とコメント。現時点では新外国人のキオーニ・ケラ、石山泰稚、田口麗斗、清水の争いと見られている。

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