近藤健介の突出した選球眼と技術力に秦真司は脱帽 苦しむ4番の村上宗隆には「つなぎ役に徹するもの一手」と提案 (3ページ目)
真っすぐのスピードもすごかったですが、フォークがとくによかった。落差が大きく、しっかりコントロールもできていました。しかも球速は140キロ台中盤ですから、バッターにとってはものすごく対応が難しい球だったと思います。打ちとった11個のアウトのうち8個が三振という見事なピッチングでした。
5回から3番手で登板し、最後まで投げきった宮城投手は、強化試合では不安な内容でしたが、本番ではWBCの公式球にアジャストしてきました。しっかり緩急を使えていましたし、コントロールも安定していました。マウンドに上がった直後は連打を浴びましたが、すぐに自分本来のピッチングを取り戻したのも宮城投手らしかったですね。
2番手で登板した宇田川投手も含め、日本の投手陣のレベルは相当高いと思います。それぞれのピッチャーが、相手打者を攻めながら三振を奪っていく姿に勇気をもらえます。
1次リーグ最後のオーストラリア戦は、首位突破をかけた一戦になりました。準々決勝で対戦するグループAの1、2位がどうなるかは最後までわかりませんが、日本としては首位通過したいところでしょう。
先発は山本由伸投手で、今大会まだ登板していない投手もいます。準々決勝以降の戦いを見据え、栗山監督がどんな継投をするのかも楽しみです。そして打線に関しては、村上選手が完全復調できるかどうか。その一点だと思います。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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