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近藤健介の突出した選球眼と技術力に秦真司は脱帽 苦しむ4番の村上宗隆には「つなぎ役に徹するもの一手」と提案 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 5番の吉田選手は積極性を持って、素直なバッティングができています。ランナーがいない時はチャンスメイクをし、得点圏ではしっかり還す。ふだんより力みやすい国際大会で、吉田選手のいい面が存分に発揮されています。

 そんななか吉田選手の前を打つ4番の村上選手は、チェコ戦の最終打席で大会初ヒットを放ったとはいえ、構えの状態から明らかに力みを感じます。

 村上選手の場合、前を打つ3番の大谷選手が強烈な打球を飛ばしています。目の前で大谷選手のすごさを目の当たりにしていることも、力みにつながっているのでしょう。

 大活躍をしている大谷選手は遊び心を持ちながら、WBCでも楽しんでプレーしている姿が印象的です。村上選手もそうした感覚で打席に立てば、落ち着きが出てくると思います。

 いま受けているのは、並大抵のプレッシャーではないでしょうが、たとえば「つなぎの役割でいい」と考えるのも一手です。シーズン中はそうした気持ちで打席に入っていたそうなので、日本代表でも「自分は吉田選手につなげればいい」と、少しでもラクな気持ちになれる考え方をしたほうがいい気がします。

 あとはファーストストライクを積極的に振っていくことです。大谷選手や吉田選手は、ほとんどの場面でファーストストライクをスイングしています。村上選手も「1球目のストライクは絶対にスイングする」という感覚でいいと思います。自分から仕掛けたほうが、その後のスイングも調整しやすいですから。

 これまでの村上選手を見ていると、ファーストストライクを見逃し、ボール球を振らされているという悪循環が続いています。結果を出したいという気持ちが強すぎて慎重になっているのか、それとも迷いがあって手が出ないのかわかりませんが、とにかく積極的に振るということを意識してほしいですね。

【WBC球にアジャストした宮城大弥】

 一方、投手陣はすばらしいピッチングを見せてくれました。東日本大震災があった3月11日に、栗山英樹監督は日本に勇気を与えるため、佐々木投手を先発マウンドに送ったと思います。プレーボール直後から162キロを出すなど、打者に向かっていく姿勢が本当に伝わってきました。

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