侍ジャパンと対戦する国の主力選手たち 韓国のメジャー二遊間コンビに国内リーグ二冠王は強力 中国の190センチ右腕は怖い存在 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 打線の中心は、ロビー・グレンディニング(内野手)。昨シーズン、2Aながらも19本塁打、76打点を挙げた好打者だ。

 オーストラリアは2004年のアテネ五輪での銀メダル獲得以後、目立った成績を残しておらず、WBCでは第1回から第4回大会まですべて1次ラウンド敗退。今大会でこの壁を破れるのか注目だ。

中国

 今年9月に中国・杭州市でアジア大会が予定されており、チームの育成という点でも今回のWBCは大事な機会となる。今大会に臨むにあたって、鹿児島で開催されている社会人やクラブチームなどのオープン大会『おいどんカップ』に参戦し、実戦経験を積んできた。

 プロの形式をとっている中国だが、広大な地域にチームが点在するため、リーグ戦の開催は難しく、トーナメント大会が年に数回あるだけで、試合経験に乏しいのが実情だ。

 それでも選手のレベルは着実に上がっている。メジャーの支援もあり、国内にメジャーリーグの育成センターを設けるなど、エリートの育成に励んでいる。とはいえ、WBCのようなメジャー選手が数多く出場するようなレベルとなると、まだまだ実力不足は否めない。

 ただWBCは、海外でプレーする選手でも、国籍や出自が証明できれば参加資格を得ることができる。今回はこの独自のルールを生かし、3人の選手が加わった。

 ひとりは、昨シーズンまでソフトバンクでプレーし、現在は社会人の日立製作所に所属している真砂勇介(外野手)だ。父親が中国籍で、今回代表に招集された。ソフトバンクでは10年間プレーし、これといった成績は残せなかったが、2016年の第1回WBSC U−23ワールドカップでは日本代表の4番として優勝に貢献。打率.387、4本塁打の活躍で大会MVPを獲得するなど、能力は誰もが認めるところ。

 投手は、ジュ・チェエンとアラン・カーターのふたりが中国代表として戦う。ジュ・チェエンは韓国でプレーし、カーターはシンガポール出身で、アメリカの高校、大学でプレー。今年1月にエンゼルスとマイナー契約を果たした。カーターの持ち味は、190センチの長身から投げ下ろす150キロ近いストレートとパワーカープ。他国にとっては怖い存在だ。

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