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「ヒットを打たなくていい」。元日本ハム・森本稀哲の野球人生をヒルマン監督の言葉が変えた (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――選手が監督室に相談しにいくこともありましたか?

森本 僕が和田毅投手(ソフトバンク)と相性がよかったシーズンがあったのですが、和田投手が先発する試合でスタメンを外された時があって。相性がいいことは知っているはずですし、納得がいかなかったので、監督室まで行って「なぜ、(和田投手に対して)結果を残しているのに、今日はスタメンではないんですか?」と聞いたことを覚えています。

――ヒルマン監督の反応は?

森本 ヒルマン監督からは「相性がいいことはわかっているけど、今日は我慢してくれ」という返事がありました。ただ、これに関しては、普段から「(話したいことがあれば)何でも相談してくれ」と言われていたとはいえ......今思えば「生意気だったな」と思います。当時は自分も若くてツンツンしていましたし、とにかく存在感を示したいという思いが強かったですから。それでも二軍に落とされることはなかったですし、ヒルマン監督の懐の深さを感じました。

――森本さんは当初から高く評価をされていたとのことですが、期待の大きさを感じましたか?

森本 当初から「絶対にスーパースターになれる」「(1991年から2006年までヤンキース一筋でプレーした名選手の)バーニー・ウィリアムスに似ている」といったことを言われましたね(笑)。僕のどの部分を見てそう言ってくれているのか、と思うこともありましたが、期待してくれているのは十分に伝わってきましたし、名選手の名前を挙げて評価してくれたことはモチベーション向上につながりました。ただ、僕はなかなか結果を出せず、うまくいかない日々が続いていました。

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